離れて暮らす親の介護の難しさは、なにかあったときにすぐに対応できないことだと思います。
一方、親もなにかあったときにすぐに対応してる存在が身近にいないと不安に感じると思います。
私は、週末に実家に立ち寄るという通い介護を2年近く続けています。
直接会って話しをしたり、様子を確認できる時間はそれなりにとれるものの、平日はそうはいきません。
「元気に暮らしているだろうか?」という思いを抱えたまま、心配しながら仕事をしている毎日を過ごしています。
このこと自体は仕方のないことだと思います。
しかし、どうにかして心配ごとを小さくしたいものです。
通い介護を続けてみて、気づいたことがあります。
それは、親の様子にかかわる小さな変化に気づくことができれば、少しは気持ちも安らぐということです。
このことが即効性のあるものではありませんが、きっとなんらかのお役に立つのではないかと思います。
そこで、今日は私が普段試していることを3つお伝えしようと思います。
マメにコンタクトをとる
とにかく親と電話でマメにコンタクトをとるようにしています。表情が見えないので、声の張り、言葉の明瞭さ、会話の反応、の3つの点を意識しています。
毎日コンタクトをとっていると、変化があることに気づくようになります。
親の調子がよいときは、声に力があり、言葉もはっきりしています。そして、私の問いかけへの反応によどみがありません。
親の調子がわるいときは、声のトーンが落ちているし、言葉もぼやけています。そして、なにより私への反応が悪く、会話のテンポがずれることが往々にしてあります。
マメにコンタクトをとることで、親の調子の良し悪しを肌感覚でとらえることができます。
変化に気づく
親の調子の良し悪しがわかれば、「おかしいな?」と感じる感度が上がり、親の様子が小さな変化に気づくことができます。
たとえば、「おなかが痛い。便秘がなおらない。」という訴えがあったとき、声の張り、言葉の明瞭さ、会話の反応を通して、調子の波をを窺い知ることができたりします。
変化に気づくことができれば、良くない兆候を感じたときへの準備ができます。
「おなかが痛い。便秘がなおらない。」という訴えが「いつもと違うな」と直感で感じたならば、訪問看護師さんに連絡し、臨時訪問を迅速にお願いすることができます。
仕事をしていると、すぐに自分が対応できないことがままあります。
変化に気づくことができれば、 「おなかが痛い。便秘がなおらない。」という訴えの深刻度を推し量ることができ、その程度に応じて、自分がとれる準備を冷静に判断できます。
寄り添う機会が増える
変化に気づくことができれば、親に寄り添おうという気持ちになると感じています。
離れて暮らしている親は、少なからず不安を感じているものです。しかし、その不安をストレートに表現できないことが多いようにも感じます。
それゆえに、マメにコンタクトをとり、変化に気づくことで、親の不安を小さくすることができるのではないか、と私は考えます。
親の不安が小さくなれば、その分、こどもである自分の不安( 「元気に暮らしているだろうか?」という気持ち)も小さくなると思うのです。
まとめ
親に寄り添おうという気持ちになることは、こどもである自分の気持ちに余裕ができてきます。離れていても、つながりを感じることができるからだと思います。
自分の気持ちに余裕ができることは、自分の生活にもよい影響がある、と私は感じています。
それは、「自分にやさしくなれる」ということです。
「自分にやさしくなれる」ことは、「いまの自分」を自分で認めることにつながると思うのです。
そして、このことが「自分のキャリア」を考えるときに、自分を冷静に見つめるための土台となります。
「親の介護」という経験を通して、「自分のキャリア」を考えることにつながってくると、私は感じています。