45歳を過ぎると転職市場は厳しいものになります。希望する仕事への転職は簡単ではありません。そのため、内定がもらえるならば、自分が想定している仕事の内容や処遇が叶わなくとも目をつぶるという人も往々にしています。
45歳を過ぎた転職の決断は、慎重になりすぎて意思決定を先延ばしにすべきではありません。それゆえに、ビジネスパーソンとしての残された時間を考えるとしっかりと情報を集め準備することが必要になります。
必要となる情報は自分なりに仮説を立て、それを検証することを意識して集めることが大切です。そのために、面接終了間際の質問を有効に活用することをおすすめします。
面接は自分のオリジナルな情報を集めるために絶好の機会でもあります。
【目次】
やってはいけないこと
面接終了間際に面接官から「なにか質問はありますか?」と投げかけされることがあります。いわゆる「質問タイム」です。このとき、やってはいけないことがあります
それは、「とくにありません。」と伝えてしまうことです。
双方が面接で好印象を持っていれば別ですが、「とくにありません。」と答えてしまうと、印象が薄い候補者になる可能性が高まります。
「別れ際の一言」は印象に残ることが多いように、面接終了間際の質問は面接官に「あのとき、○○という質問をした人だね。」という印象を残しやすくなります。
したがって、「質問タイム」に「とくにありません。」と応えてしまうことは得策でないのです。
質問のクォリティーが求められる
もっとも、質問すればいいというものではありません。応募者から面接官に投げかける質問のクォリティーによっては逆効果になることがあるからです。
「残業はどのくらいありますか?」
「休日出勤はありますか?」
「介護休業はとれますか?」
こういった情報を「質問タイム」でする候補者は、おそらく選考プロセスで外されるでしょう。働くうえで処遇について情報を得たくなる気持ちはわかりますが、これらを面接の場ですると権利意識が強い人という印象を与えてしまいます。
「自分が会社に対して貢献できること」を軸に自分が知りたい情報を確かめていくことが「質問タイム」を有効に活用する秘訣です。
私がおすすめする3つの質問
人事の立場でおすすめする質問は、つぎの3つです。いずれも「自分が会社に対して貢献できること」を軸にした質問です。
1.どういう人物を採用したいか
会社が提示している公募要件を踏まえて、中途採用する人材に求める役割、業績 などを確認することを目的とした質問です。前提として、自分が考える役割と期待される成果を伝えたのちに、実際の考えを確認することが有効です。
2.どこまでを守備範囲としてくれるか
中途採用要領に記載されている職種は、一括りになっている場合があります。
自分が考える役割と期待される成果をふまえて、どこまでを自分に任せてもらえる仕事の守備範囲を確かめることを目的とした質問です。転職した後に、雇用のミスマッチが生じないよう、転職直後に自分に任させてもらえる仕事の守備範囲と転職後5年程度で任せてもらえそうな仕事の守備範囲を確認することが有効です。
3.面接官がチームとして成果をあげたことはn
会社が組織として動いているか否かを確かめることを目的とした質問です。
面接官の体験を聞くことで、チームとして成果をあげる組織風土の程度を確認できます。また、この質問につづけて「この会社に入って良かったと思えた仕事は何ですか?」という質問をするとより深堀りできます。
「この会社に入って良かったと思えた仕事」は面接官のやりがいや仕事にかかわる価値観を垣間見ることにつながります。転職後の会社の職場環境や社員同士のかかわり方をリアルに知るきっかけになり転職するか否かの決断にも有効です。
まとめ
「別れ際の一言」は印象に残ることが多いように、面接終了間際の質問は面接官に「あのとき、○○という質問をした人だね。」という印象を残しやすくなります。
もし、「質問タイム」を面接官から投げかけられなくとも、自分から「質問すること」を願い出ることが大切です。
もっとも、「質問タイム」を有意義な時間にするためには、転職する会社で働いている自分をイメージした仮説を持ち合わせて、それを検証するという姿勢が不可欠です。この姿勢がないと、質問に迫力がなくなります。ただ単に質問しているだけだと、不思議と面接官にはそのことが伝わります。
面接で好印象を残す別れ際の質問で転職に必要な情報を的確に集めましょう。