「気がつくと、中堅という世代じゃなくなっているな」
「今の会社にいるからこその自分かもしれない・・・・」
会社に所属している自分だからこそ成し遂げられることがあります。一方、会社に所属していない自分が成し遂げられることは何かあるか。
45歳を過ぎると自分のキャリアの先行きが見えてくるものですが、それが限界点であるならばもう少しだけがんばってみる価値があると考えます。
たとえば、
60歳の定年、それまでの15年間で準備できることはないのだろうか
形として残せているもの、伝えておくことはないだろうか
自分の姿を家族に見せることができるだろうか
などです。
先行きが見えてくると、漠然とした不安を感じるものの、見えてきてからの先行きを見て見ぬふりをしてしまうことがよくあります。
そのせいで、思考停止して、ただ時が過ぎるがままでに生きていくことに満足でなくて困っている人もいるでしょう。
肩書きがなくなったとき、自分に何が残るのか。
今回は、自分の価値を確かめるために必要な問題提起についてお伝えします。
【目次】
1.事実と状況の確認
キャリアを長いスパンで考えるとき、必要になることは自分のキャリアの軌跡を確かめることです。キャリアの軌跡には自分の価値となる原石があるからです。
今の自分を形づくっているのは、まぎれもなく、今までの行動、実績の積み重ねです。
その行動、実績の積み重ねについて、事実の観点で整理し、そのときに感じた感情を関連させて明確化するのです。
「肩書がなくなったとき」こそ、自分の本来のチカラが試されるときです。
かりに、サラリーマンとして、自分のキャリアを自律的に築いてこなかったと感じているならば、キャリアの軌跡のなかに、自分が自律的に動いた事実とその時の感情を見つけ出すことが大切です。
2.枠から飛び出した自分を認識する
「やりたいことがわからない」という人はとてもまじめで勤勉な方が多く、何事にも責任感をもって取り組まれます。
それなのに、なぜ「やりたいことがわからなく」なってしまうのか。
多くの人の相談を受けていると、共通することに気づきました。それは、他者が定めた枠の中で行動することに慣れている、ということです。
課題発見、課題設定、目標設定等について、その大枠は他者が定めたものであり、その枠内で業績を上げている。しかし、その課題について、本当に自分が成し遂げたいという思いを持って臨んでいないことが多い、ということです。
1.でお伝えした自分のキャリアの軌跡を振り返るとき、本当に自分が成し遂げたかった仕事があるはずです。数の多い少ないではありません。一つで構いません。自分で行動する枠を決めて実績を上げた仕事を見つけるということです。
3.自分の本来のチカラを確認する
事実にもとづいて自分を振り返ると、自分の本来のチカラを確認する土台が完成していきます。
自分の可能性をさらに確かめるためにも、つぎの観点で事実を整理してみることをおすすめします。
【ポジティブな側面】
褒められたこと
他人ができないこと
続けてきたこと
自信があること
得意だと思うこと
価値や意義を感じること
【ネガティブな側面】
怒られたこと
認められなかったこと
続けられなかったこと
苦手だと思うこと
価値や意義を感じないこと
自分が経験した出来事を、これらの観点で整理すると、自分の可能性を「強み」「弱み」という視点でとらえることができます。
そして、これらを言語化することで、「肩書きがなくなったときの自分の存在価値」を確かめる源泉にたどりつけるのです。
4.まとめ
私は誰もが必ず存在価値を持って生きていて、その存在価値に自ら気づいたときに、本来の可能性を超えたパフォーマンスを発揮できると信じています。
気づくタイミングに年齢は関係ありません。
「肩書きがなくなったとき、自分に何が残るだろうか」と自分に問いかけたときこそ、自分の可能性に気づく入口にきているのです。
そして、未来がもっと自分に近づいてくる実感を感じたとき、自分に残せるものがはっきりしてくるのです。