多くの会社で、年度初めに目標を設定することと思います。
そして、多くの場合、個人目標は、組織目標とつながりを持たせて設定されます。
長年サラリーマンを続けていると、意欲的に目標設定するときと、そうでないときの差があると思います。
たとえば、「2017年度の目標は何ですか?」と問われたとき、即座にその内容を思い出せる人は少ないように感じます。設定した目標が、割り当てられた目標であって、そこに「達成したい」という思いが伴っていないことが原因だと感じています。
さらに、年度初めに設定した目標のうち、定量目標についてモニタリングするものの、そこに至るプロセスについてのモニタリングが十分でないこともあります。
このように、目標管理が上手く運用されていない場面を目にすることが多々あります。
その根幹には、目標を自分割り当てられた作業として捉えられてしまい、「取り組みたい」という意欲が湧き起こっていないためだと捉えています。
「めんどくさい」という意識にとらわれてしまうと、やる気が失せてしまいます。
そして、このような状況下で評価されると、評価に対する納得感も失われてしまいます。
どうせ取り組むならば、やる気を持って取り組み、適切に評価されたいと思うことがあたりまえではないでしょうか?
1.評価が目指すこと
そもそも評価は業績の進捗度合を測ることに加えて、人材育成も目的としています。したがって、目標設定は業績評価の視点とプロセス評価の視点が含まれているはずです。
もちろん、業績評価とプロセス評価のウェイトは、担う役割に応じて変わります。たとえば、管理職は業績評価のウェイトが大きくなり、入社3年目までの若手社員はプロセス評価のウェイトが大きくなります。
2.評価の課題
万人が納得する評価は存在しないと言われます。その要因は3つあると考えています。
まず、冒頭で触れたように、やらされ感がつきまとっていること。
次に、人材育成の視点が見落とされること。
そして、最後に評価決定プロセスに透明性がないこと。
つまり、感情へのアプローチに課題があると考えます。
3.年次評価は必要ない?!
松丘啓司氏は、著書『人事評価はもういらない 成果主義人事評価の限界』 (ファーストプレス)で、これからの人事の潮流は、プロセス管理型マネジメントからピープルマネジメント型マネジメントに変革すると指摘されています。
マイクロソフト、GE、アクセンチュアなどの企業は年次評価を廃止したとのこと。
厳格に評価している印象の外資系企業の動きは、業績を上げるには、リアルタイムマネジメント、未来志向、個人起点、強み重視、コラボレーションの視点が求められるということです。
プロセス管理型マネジメントからピープルマネジメント型マネジメントに視点を変えると、確かに年次評価は必要ないように感じます。
4.まとめ
目標管理制度と評価制度に課題はいくつかの課題があります。
これらを個人のチカラで変えることは無理でしょう。
したがって、課題を踏まえて、自分流に活用する意識が大切です。
たとえば、目標を通して、自分の内発的動機を高めるにはどうすればいいか、自分の強みを活かす機会はないかといったことを意識してみるのです。
意識すると、自分の経験に基づく強みや、意欲につながり、行動が変わるきっかけが生まれます。
そうなると、目の前の景色が変わります。
やらされ感がいっぱいだった目標に少しずつ自分の意欲を乗せられれば、行動が変わります。
他者からの評価、自分の業績も変わる可能性が高まります。
自分の可能性を自ら引き寄せることができるのです。