キャリアを考えるとき、45歳という年齢はキャリアの折り返し地点にあたります。
65歳まで働くとするならば残り20年。
社会人デビューしてから積み上げてきた年数とほぼ同じ年数です。
自分の人生の大半は、「仕事」のための時間ともいえます。
したがって、人生を充実させるには、「仕事」している充実感を増やすことが得策です。
それでは、45歳まで転職することなく一つの会社で働いてきた人が、仕事のための時間を充実させるためには、どうすればいいでしょうか。
選択肢は次の3つあると考えます。
①会社に自分の身を任せる
②今の会社での仕事を充実させる
③思い切って転職する
45歳で、一旦足を止めたとき、今自分はどういう状態にあるでしょうか。
「自分には、何もないなぁ~。」
「仕事はしてきたけど、何を残せたかなぁ~。」
「なんとなく会社に認められていないなぁ」
もし、そう感じるならば、あらためて仕事を充実させることに目をむけることが大切です。
【目次】
1.会社に自分の身を任せる
会社に自分の身を任せると、自分では想定しない様々な仕事に携わる機会が増えます。自分の器を広げるきっかけになりますし、予期しないキャリアのつながりが自分のキャリアの核につながるというメリットがあります。
私の場合、20代は会社に自分の身を任せていました。(一つの会社に定年まで働くことが当たり前だったので、特に「身を任せている」という意識もなかったです。)
もっとも、「身を任せた」結果、自分のキャリアの核となるHR(人事)の仕事にめぐり合うことができました。
20代は残り30年以上の時間的資源がありましたし、新しいことを吸収する気持ちの余裕があったという背景を割り引かないといけないかもしれません。
45歳を過ぎると、時間的資源は若い頃と比較すると少なくなります。ですから、偶発的な仕事の巡り合わせを意味あることとしてとらえるチカラが必要になります。
自分の目の前の仕事に課題意識をもって取り組むというチカラです。
「身を任せる」ことは、自分が目の前の仕事に課題意識を持って取り組むかぎり、他律的ではないのです。
しかし、自分が目の前の仕事に課題意識を持って取り組まなければ、文字通り「身を任せる」、他律的なキャリアが続くことになります。
不本意な仕事に就いたとしても、ただ、キャリアを積み上げていくためだけに時間を費やすことになります。
この状態がつづくかぎり仕事を充実させることは難しくなります。
2.今の会社で仕事を充実させる
「何も残していないように感じる」ならば、本当に何も残していないのか、過去の実績を振り返ることが必要です。
携わってきた仕事が本当にやりたい仕事ではなかったとしても、何かしら自分が携わった仕事のなかに、何かを残していないでしょうか。
小さくとも、自分が主役でなくとも、自分の成し遂げたことがあるはずです。
その自分の成し遂げたことを再評価すると、自分で自分を認めることができます。
自分の成功パターン、絶頂期パターンを把握することができるようになります。
そうなると、自分のチカラを今の会社で発揮するポイントが見えてくるのではないでしょうか。
会社に自分の身を任せつつも、自分から仕事にコミットすることで、自律的なキャリアを積み上げられます。
そのプロセスにおいて、自分の経験がつながり、自分がやらなければならないこと、できること、やりたいことをそれぞれつかむきっかけが見つかります。
「なんとなく会社に認められていないなぁ」と感じているならば、「今の会社での仕事を充実させる」選択肢をとってみるといいでしょう。
自分から仕事にコミットする視点を持つことで、自分がやらなければならないこと、できること、やりたいことに対してアンテナが立ち、自分がかかわれる領域が広がります。
今の会社で仕事を充実させることで、「やりたいこと」を見つけやすくなるのです。
3.思い切って仕事を変える
思い切って仕事を変えるとは、転職するということです。これは、大きなキャリアチェンジになります。
自分で自分のキャリアの方向性が見えていないならば、転職という選択肢を取ることはおすすめできません。
「やりたいこと」「貢献したいこと」が明確になっていないと、転職した先の会社で路頭に迷ってしまうからです。
45歳を過ぎると、若い頃と異なり背負うものが多くなります。自分の家族のこと、親の介護のこと、子どもの進学のこと。いろいろと自分が責任を負う機会が増えますから、路頭に迷っている場合ではありません。
もちろん、自分のキャリアの方向性が見えている場合、転職することで仕事への満足度が高まりますから、積極的に動いてみることをおすすめします。
実際に動いてみて、結果的に自分の仕事への満足度が高まるか否かを確かめればいいのです。
4.まとめ
仕事を充実させるには、自分の仕事に対する視点を持つことが大切です。
仕事は成果をなげていくことが極めて重要になります。
自分を活かしつつ、自分の経験をつなぐ。
これが、その人の存在価値になります。