「あの人、ほんとに働かないよね。給料ドロボーじゃん。」
「あんな風にはなりたくないよ。見ているとなんか切なくなってくる。」
「ある意味、究極の勝ち組ですよね。仕事は楽で給料はもらえているんだから。」
いわゆる「おじさん」と言われるのは何歳からなんでしょうか?
一般的には40歳を過ぎると「おじさん」世代に該当するようですから、45歳を過ぎているならばその真っ只中にいることになります。
「おじさん」世代の「働かないおじさん」には冒頭のような厳しい視線が集まります。そうなると、職場で孤独を感じ、自分の存在価値が確かめられないようになります。
40歳を過ぎてモチベーションが下がる理由のひとつに「キャリアについて明るい未来が描けない」ということが挙げられています。
モチベーションを低下させることに大きく影響することからも、自分の存在価値を確かめられないことを軽視することはできません。
それでは、「働かないおじさん」にならないためには、どうすればいいでしょうか。
【目次】
会社の悩み 45歳過ぎの社員をどう処遇するか
2013年に高年齢者雇用安定法の一部が改正され65歳までの雇用義務化となりました。会社は、今後、1988年から2002年までに入社した「バブル入社組」を中心とした高年齢者の雇用にかかわる施策をさまざま考えていく必要があります。
会社も、少子高齢社会を目の前にして、中高齢者の雇用のことで頭を悩ませています。
バブル期のように右肩上がりの経済成長は望めません。
景気後退、低成長の時代が長く続いたこともあり、昇給やポストといった処遇による社員のモチベーション管理は難しくなっています。
会社は、どのような処遇を準備すれば、社員が自分のチカラや知識を発揮してくれるか模索しているのです。
他方、視点を変えて中途採用に目を向けてみましょう。
従来は経験を重視して中途採用を展開していましたが、最近は正解のない課題に対峙していく能力を重視した採用に軸足が移ってきています。
自分のチカラや知識に加えて、環境変化に対応して業績を創り出す再現性を重視した中途採用を会社が求め始めているのです。
評論家にならない
このような状況下で、これをやってしまうと、「×」印がついてしまう行動があります。
それは、「評論家」になることです。
「でも、・・・・」
「どうせ、・・・・」
「昔は、・・・・」
「あの人は、・・・・」
45歳を過ぎると、経験は増えます。ついつい評論家のごとく、「ご意見」を言ってしまうことがあります。
年齢を問わず、「評論家」になってしまう人はいます。自分の意見や代案を出さず、自分の行動が伴わない人は、プロフェッショナル意識が欠如していると評価されます。
とくに、45歳を過ぎてから「評論家」になってしまうと、「実行力のない人」というレッテルが定着し存在価値が低下します。
そのような状況は、ぜったいに避けなければいけません
求められる役割を逆算する
冒頭に、中高年齢者にかかわる会社の悩みとして、「社員が自分のチカラや知識を発揮してくれるか模索している」ということをお伝えしました。
会社は、研修や人事制度の施策を改正するなどして、なんとかして悩みを解消しようと試みますが、必ずしも万能ではありません。
このような背景で、求められる人、存在価値のある人とはどのような人財であるかを逆算してとらえると、つぎのような人材になるはずです。
それは、「自分のチカラや知識を自分から発揮してくれる社員」。このような人材ならば、会社が施策を準備しなくとも、自発的にモチベーションを上げて業績をあげる可能性が高いからです。
言い換えれば、「自律的な行動ができる人」です。
具体的には、次のような3つの考え方ができる人です。
①自分の経験や知識をもとに、前例のない課題に対する処理判断ができる人
②自分の経験や知識を周囲の人に自分から伝承できる人
③言い訳をせず、「どうすれば・・・・できるか」を考え、チームと協働できる人
上司が職場にいるときだけ頑張ったり、自分の働く範囲を狭く制限することなく、組織の中で協業する場、自分を活かす場を創り出せる人ということです。
まとめ
自律的な行動ができる人は、「働かないおじさん」になることはありません。
年齢にかかわらず貢献するために自分を磨き続けるチカラ(「好奇心」「持続性」)
状況変化に柔軟に対応し、なんとか前に進もうとするチカラ(「柔軟性」「楽観性」)
受け入れられるかわからないけれども、自分から働きかけるチカラ(「冒険心」)
これらの3つの考え方を意識することで、45歳からのキャリアはますます広がっていきます。
キャリアが広がれれば、パフォーマンスも上がります。そういう人は組織にとって大切な存在感のある人材になります。
自分の人生、自分を活かす場を見つけることができれば、存在価値のある人材になれます。
①自分の経験や知識をもとに、前例のない課題に対する処理判断ができる人
②自分の経験や知識を周囲の人に自分から伝承できる人
③言い訳をせず、「どうすれば・・・・できるか」を考え、チームと協働できる人
3つの考え方、意識してみると、「働かないおじさん」ではなく、「仕事のできるスマートなミドル」になるはずです。