「定年後の生活が不安なんです。給与は現役の4割減。65歳までの生活を考えるとき、暗い気持ちになるです。」
ある方からお問い合わせをいただきました。
人それぞれ、仕事をするうえで培ってきた人材力がありますが、強制的に職業人としてのキャリアが終了する定年。
その後の人生の見通しが不確かであれば、不安な気持ちを増大させる要因になります。
せっかく培った人材力を無駄にするのはもったいないです。
そうならないためには、45歳を過ぎた頃から定年後も含めた時間軸の中で、用意周到に準備することがきわめて大切になってきます。
【目次】
50歳以降の自分の処遇を見つめてみる
私は、サラリーマンとしてキャリアを積み上げることは素晴らしいことだと思います。サラリーマンだからこそ実現できる社会に大きな影響を与える仕事に間接的にかかわることができるからです。
確かに、組織に所属していると自分のやらなければならないことの比重が高くなり、できること、やりたいことに一定の制限があります。
45歳を過ぎると、若い頃と比べると自分ができることも多くなり、やらなければならないことと、やりたいことを重ねわせることもできるようになります。仕事の大小ではなく、社会的にインパクトのある仕事とかかわってくるはずです。
そして、定年間際で第二のキャリアを考えるとき、会社の中で後進を育成したり、自分ができること、やりたいことを追求できる「独立」が選択肢として浮かび上がってきたりします。
ところで、50歳を過ぎると役職定年や60歳定年後の再雇用では年収が下がることもままあります。
労働基準法で定年制を設ける時は60歳が定年です。そして、厚生年金の受給開始年齢が2025年度までに65歳に段階的に引き上げられることが要因となり、企業は65歳まで再雇用するケースが増えています。
法律による定年制が65歳になったわけではありません。
そこで、正社員としての雇用は60歳で終了し、嘱託社員として再雇用契約することで65歳まで働くことを可能にしていることが多いと言えます。
右肩上がりに年収が増えることは望むことは難しいと言えます。
自分の存在価値を高めることが大切
そこで、自分の存在価値を高めることが大切になってきます。定年後も会社から評価されるような実績を積み上げればよいからです。
会社から評価される人材と評価されない人材 の違いは何でしょうか。
その違いは、「高度専門職」であるか否かです。
具体的には、会社で通用する高度な専門力、マネジメント力、過去の実績にもとづき会社業績に貢献しうる経験知などです。
これらが人材力として備わっていれば、60歳の定年を迎えた後も会社からは「是非、残ってもらいたい」というオファーがくるはずです。おのずと高い報酬を得る機会も高まります。
ちょうど、イチロー選手がシアトルマリナーズの特別顧問になり終身契約となったように、組織に貢献しうるミドル層を組織は手放したくないものです。
60歳定年から逆算したキャリアプラン
このような人材には一朝一夕ではなれません。しっかりと準備する必要があります。
45歳を過ぎたときから60歳以降にどういう人生を歩みたいかを考えておかなければいけません。
そのためには、サラリーマンとして「会社の中で働く自分」という意識から、「社会の中で働くプロフェッショナルな自分」という意識が必要です。
社外の人と交流することで自分の視野を広げ、それを自分が働く会社に貢献するためのヒントして活用することができれば、社内の評価も「新しい仕事の仕組みを創出するチャレンジングな人材」として評価してくれるはずです。
60歳定年という強制的にキャリアが終了する時点から逆算したキャリアプランを準備しなければ手遅れになります。
まとめ とにかく動こう!
45歳を過ぎた人材が持つ最大の強みは、時間をかけて積み上げきたキャリアです。
それは結晶のように作り上げられます。「結晶性知識」というテーマでブログにも記しましたとおり、人それぞれの強みが凝縮されているはずです。
hiratsukacareer.hatenablog.com
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不安への対処法は、不安要素を可視化し、対策を立てて、それを実行することにつきます。
45歳以後、自分はどのような人生を歩もうとしているか。
自分の「結晶性知識」を探り、とにかく動いてみることをおススメします。
(【基礎力】+【専門力】+【再現力】)×【人間力】
この公式も参考にしてみてください。