キャリアの80%は予測できない出来事の連続でつくられる。
このフレーズにピンとこない方もいるかと思います。
独立している、いないのいかんにかかわらず、今の自分は、偶然の出来事のつながりの結果です。
キャリアを考えるとき、大切にしている理論があります。
それは、スタンフォード大学の故クランボルツ教授が提唱されていた「計画的偶発性理論」です。
このブログでも何回かご紹介していますが、故スティーブ・ジョブズ氏スタンフォード大学で、「計画的偶発性理論」を想起させる卒業生に向けたスピーチをしています。
hiratsukacareer.hatenablog.com
私は、計画的偶発性理論の特長を「自分がたどってきた道のり(過去)を5つの視点でとらえる」にあると認識しています。
5つの視点とは、好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心(リスクテイク)です。
これらをもとに、それらを総合して、自分オリジナルのキャリアパターンを見出すと、未来につなげられます。
不確実性が高まる社会環境の中で生き抜くビジネスパーソンには有効であるからです。
NHKの逆転人生という番組があります。番組では、思うような成果がでず、なかなか浮かばれない人が、なにかを成し遂げるまでのプロセスを回想します。
この回想することが、計画的偶発性理論に基づく過去を振り返ることそのものです。
9月30日の放送では、消せるボールペン「フリクション」の開発秘話が特集されていました。
37年もの開発秘話にある計画的偶発性理論
フリクションが世の中に出るまでに、実に37年もかかっていたことに驚きました。
このボールペンは、パイロット社では日の当たらない部署の第2開発部で生まれたとのことです。
精鋭がそろっているわけではない。
会社から期待されていない。
こういう環境下でも、第2開発部を率いてきた中筋憲一さんは、研究を続けられました。
私は、中筋憲一さんの仕事に対する姿勢や行動のなかに計画的偶発性理論の5つの視点【好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心(リスクテイク)】が織り込まれていたと強く感じました。
計画的偶発性理論を感じた理由
中筋憲一さんが計画的偶発性理論をご存じであったかは定かではありません。おそらくご存じではなかったと思います。
私には、中筋憲一さんの仕事に対する姿勢や行動には、つぎのようなことを感じました。
- 中筋さんが興味をもってインクの開発をしたこと(好奇心)
- 粘り強く、自分が目指すことを追求し続けたこと(持続性)
- 部下を勇気づけながら、様々な試行錯誤を繰り返したこと(柔軟性)
- なんとかなる、なんとかするという気持ちを持ち続けたこと(楽観性)
- 実現するためにやれることは、なんでもやったこと(冒険心(リスクテイク))
これら5つの視点が、チャンスが目の前に現れたときに、取り組んできた出来事の一つひとつが結びつき、なにかを成し遂げられるものだということを痛感しました。
まとめ
過去の経験と現在を5つの視点で捉え、その中から、自分オリジナルのキャリアパターンを見つけると、偶然のように巡ってきたチャンスに対して的確に動くことができます。
中筋憲一さんの凄みは、37年もの間、絶やすことなく動かれたことだと、私は感じました。
キャリアを自分でデザインするためには、計画的偶発性理論にもとづいて、自分のキャリアを丁寧に振り返ることが、遠回りだけれども近道になります。
【ご参考;その1】
計画的偶発性理論にもとづくキャリアデザインについて、セミナーを開催します。
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是非、ご覧ください!
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https://ch0921-1012.peatix.com/
【ご参考;その2】
NHK「逆転人生」 HPからの情報です。
2019年10月5日、7日に再放送があるようです。
https://www4.nhk.or.jp/gyakuten-j/x/2019-09-30/21/2395/1795021/