45歳を過ぎると、じぶんの居場所が不確かになったり、じぶんの強みがわからなくなったり、じぶんの先行きが見えなくなったりします。
このことが原因となって、45歳を過ぎたビジネスパーソンのキャリアの迷いにつながっていることが往々にしてあります。
このような感じを持つことはなるべくならば避けたいところですが、見方を変えると、じぶんの将来を建設的に再設計する機会と出会えたと捉えることができます。
迷いを抜け出すには・・・
キャリアの迷いを抜け出すには、計画的偶発性理論、社会人としての自分史、じぶんの人材力という3つの側面を通したキャリアの再設計が有効です。
じぶんの過去を捉えるとき、計画的偶発性理論の5つの視点である「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心(リスクテイク)」を踏まえると、過去のできごとの意味づけがしやすくなります。
社会人としての自分史を編纂することは、じぶんの過去の一つひとつを今とつなげ、じぶんのキャリアの軌跡を意味づけし、現時点でのじぶんの人材力を冷静に見極めることができます。
キャリアの再設計には、これらのプロセスを通して、一つひとつの出来事をつなげ、それが意味することを解釈し、じぶんの言葉で表現できるようになることが重要です。
じぶんのキャリアのパターンを知ることでもあり、それを通してじぶんの将来を主体的かつ自律的に捉えることができるようになるからです。そして、予測できない環境変化にも、しっかりと対処することができる術を備えるようにもなります。
3年後を見据えられるか
計画的偶発性理論、社会人としての自分史、じぶんの人材力を軸にじぶんのキャリアを再設計するために、必要になることは、3年後のじぶんを取り巻く環境をある程度客観的に予測し、3年後に「こうありたいじぶん」について目標設定することが大切です。
しかし、じぶんのキャリアを再設計すると言っても、思うようにいかないことが多く、意味がないと感じられる人もいると思います。
目標として設定した「こうありたいじぶん」に近づけないときが想定されますし、そのギャップを埋めきることができないとき、キャリアの再設計が実現できないと感じられるからです。
たしかに、なんら事前の準備をせずに、いきなり3年後に「こうありたいじぶん」を目標設定すると、キャリアの再設計は頓挫してしまうでしょう。さらに言うならば、3年後に「こうありたいじぶん」を目標設定することもできないでしょう。
それは、「どうやって目標設定すればいいのか、わからない」からです。
「こうありたいじぶん」を見つけられるための、よりどころが見えないからです。
その術が見えないからです。
計画的偶発性理論、社会人としての自分史、じぶんの人材力を軸に、じぶんの過去と今を的確に捉え、じぶんのキャリアパターンを認識できているならば、「こうありたいじぶん」を見つけるよりどころを、じぶんの言葉で語ることができます。当然のことながら、じぶんで認識することもできます。
まとめ(「ありたい姿」を描く理由とは)
じぶんのキャリアパターンを認識できたならば、将来に向けたアクションプランをたてることが、とても大切です。
計画的偶発性理論、社会人としての自分史、じぶんの人材力を通して、じぶんを因数分解することができます。
しかし、そこで留まってしまうと、結果として、じぶんのキャリアを主体的かつ自律的に再設計することはできません。ただ、「あ~なるほど、じぶんって、こういう人だったんだ。」ということを認識するだけで終わってしまうからです。
それだけでも価値があるとは思います。
計画的偶発性理論、社会人としての自分史、じぶんの人材力を通して、じぶんを因数分解することで、じぶんのミッションや、しごとに対する価値観が見えてくるからです。
しかし、見えてくるだけでは、じぶんのキャリアを主体的かつ自律的に再設計できないのです。
じぶんのミッションや、しごとに対する価値観に基づき、「こうありたいじぶん」に向けて、小さくてもかまわないから行動を変えていくことが必要になるからです。
行動を変えるときに、威力を発揮するツールが目標を定めることです。
3年後の「こうありたいじぶん」の先には、じぶんのキャリアを主体的かつ自律的に築き上げるという目的があります。
目標は、文字通り、標(しるべ)です。目的である的(まと)に到達するための標(しるべ)なのです。
したがって、3年後の「こうありたいじぶん」を目標設定することは、目的を実現するために、必要なアクションになるのです。とても骨の折れることですが、遠回りだけれども、近道であると私は信じています。
本日も、お読みいただきありがとうございました。