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キャリアを再生させる5つの視点(好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心)から、自分の価値を再発見して、これからの15年を30年の濃さにしよう!

世界的な研究者にみる計画的偶発性理論 ~日経新聞の「先輩に聞く 道を切り開く」を読んで~

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2019年7月15日付日本経済新聞朝刊の15面に、「先輩に聞く 道を切り開く」というコラムがあります。今まさに就職活動中である学生やこれから就職活動に入る学生を対象にしていて、学生さんたちへのエールが感じられるとても読み心地のよい記事です。

 

今日、読んだ記事に書かれていた事例は、偶発的計画性理論がそのまま当てはまると感じたので、お伝えしたいと思います。

 

記事の主人公は、東京大学の古沢明教授です。

 

古沢教授は、「量子テレポーテーション」実験に成功した世界的な研究者の方です。大学の研究者になる前は、大手企業に所属し、そこからアメリカのカリフォルニア工科大学に派遣されたご経験があります。この実験は、企業から派遣されたときに成功したものです。

 

古沢教授にみる、計画的偶発性理論 

 

記事の中で、古沢教授はこのように振り返っています。

 

①指導教授から難しい実験課題を任された

②手渡された資料は、量子テレポーテーションの新理論をまとめた論文だけ

 

企業から派遣されている身としては、なんらかの成果をあげなければいけないというプレッシャーを感じたはずです。ある意味、修羅場であったと思うのです。

 

古沢教授を取り巻く環境は、つぎのようなものでした。

 

①成功するよりも失敗する可能性が高い課題を任された

②手がかりはたった一つの論文

③成果を出すも出さないも自分次第

 

しかし、異国の地で、たった一人で実験に向き合うのは、とてつもなく孤独で、つらい日々だったと思いきや、その過程に楽しさを感じ、苦労を感じたことはなかったと、古沢教授は語っています。

 

このブログでお伝えしている偶発的計画性理論は、「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「冒険心」の5つの視点で構成されています。

 

新聞記事を読んで、古沢教授が企業から派遣されて取り組まれた研究活動は、この5つの視点がすべてそろっていると感じました。

 

古沢教授の研究活動と5つの視点

 

古沢教授の研究活動に、偶発的計画性理論を当てはめてみると、つぎのような分析ができます。

 

  1. 好奇心 : 会社の将来につながる可能性があるテーマを研究課題としたこと。
  2. 持続性 : 時間をかけて、粘り強く、自分で納得のいく研究を続けたこと。そして、どうすれば研究が成功するかを考え続けたこと。
  3. 楽観性 : すべてを任されたこと。「失敗の可能性が高いから自分が任されたんだ。」(引用)と思い、悲観することなく思う研究に存分に取り組んだこと。
  4. 柔軟性 : 研究の先行事例はなく、試行錯誤を繰り返すプロセスであったこと
  5. 冒険心 : 成功の可能性を信じて、失敗するリスクも含んで研究したこと

 

研究活動のなかに、5つの視点で捉えることができる活動が含まれていることがわかります。 

 

古沢教授のキャリア選択にみる計画的偶発性理論

 

そして、この研究活動が、古沢教授のキャリアの選択にも影響を与えたと感じました。

 

古沢教授は、留学期間が終えたとき、派遣された企業に戻らず、大学で研究者としての道を歩む選択をされました。

 

派遣される前に所属していた研究所が閉鎖されたためのようです。

 

相当深く考えて、大学での研究者の道を選択されたのだと思います。

 

おそらく、企業に所属し、アメリカの大学に留学派遣されるとき、そして、研究しているときは、企業に戻って働き、貢献するキャリアイメージを、古沢教授は持っていらっしゃったと思います。

 

しかし、自分を取り巻く環境が変わったことから、主体的に、自律的に自分のキャリアを選択されています。

 

このキャリアの選択のなかこそが、計画的偶発性にあがると、私は感じます。

 

「あらかじめ予定されていないようだけれども、それは計画されていたことである。」ということです。

 

自分のキャリアは、予期せぬ出来事、偶然の出来事が積み重なったり、つながったことによって築かれる。それぞれの出来事の中に、5つの視点の要素が含まれていれば、その出来事は、豊かなキャリアにつながる。

 

まとめ

 

古沢教授の記事を読み、改めてこのように感じました。

 

それは、自分のキャリアを振り返るとき、計画的偶発性理論の5つの視点が含まれている出来事を思い出してみることです。

 

一人ひとりのキャリアの軌跡のなかに、5つの視点が含まれている出来事が、なにかしら見つかるはずです。

 

見つけることができれば、これからどのように自分のキャリアをつないでいけばいいのか、という方向性を感じとることができます。

 

この記事のサブタイトルは、「任されてこそ人は輝く」でした。

 

このサブタイトルに、私は共感をおぼえました。

 

任されるということは、自分で考えて、行動し、結果を出すことだから、人は成長し、人材力が高まっていくと、私は考えるからです。

 

繰り返しになりますが、「自分が任された経験」をベースに計画的偶発性理論の5つの視点をもとに、自分のキャリアを振り返ることが良策です。

 

その際、このような観点も踏まえてみると、深い考察ができます。

 

自分が仕事を一から最後まで任されたこと(修羅場体験)

苦労の連続であっても、成功しなかったとしても、あきらめずにやりぬいたこと

その経験から、一皮むけた自分を体感できたこと

 

ぜひ、ためしてみてください。

 

自分のキャリアの羅針盤を見つけることができます。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。