キャリアの転換期では、適切な「問い」を「じぶん」に問いかけることが大切です。
5+3=15が不正解であることは、明らかですが、「+」(足す)という「問い」が誤りであることに気づかなければ、不正解を重ねることになります。
結果として、「なにが正しいか、わからなくなる」という事態につながります。
つまり、「「+」(足す)ではなく、「×」(かける)じゃないと、15にならないんだ!」ということに、気づけるか否かがポイントになります。
気づくためには、じぶんにかかわる参照情報を、数多く取り揃え、可能な限り準備することであり、しっかりと向き合うことが大切だと、私は考えます。
参照情報を広げる3つのステップ
さて、じぶんにかかわる参照情報を広げるためには、つぎの3つのステップを踏むことをおススメしました。
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自己分析
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他己分析
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自己分析と他己分析の統合
今日は、「自己分析」と「他己分析」の統合についてお伝えします。
「自己分析」と「他己分析」を介して、異なる「じぶん」を知る。
自己分析では、キャリアの分岐点に起きた「出来事」を、じぶんの言葉で解釈します。
そして、私が考える「他己分析」とは、『「いま」のじぶんが、「過去」のじぶんと対話する』というプロセスを通して、じぶんの言葉で、キャリアの分岐点に起きた「出来事」を解釈することです。
【ポジティブな問い】 として、褒められたこと、続けてきたこと、他人ができないこと、自信があること、得意だと思うこと、価値や意義を感じることを掘り下げる。
【ネガティブな問い】 として、怒られたこと、続けられなかったこと、認められなかったこと、苦手だと思うこと、価値や意義を感じないことを掘り下げる。
「自己分析」と「他己分析」は、掘り下げる視点が異なるため、この違いによって新しい発見が生まれると、私は考えます。
統合に必要な「問い」
ここでお伝えする統合とは、「自己分析」と「他己分析」から考察されることを、じぶんの言葉で解釈することです。
「自己分析」と「他己分析」では、それぞれ異なる視点で「じぶん」を捉えていると思われますので、共通する事柄を抽出します。
そのための「問い」は、6つあります。
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「じぶん」が大切にしたいと考えていることは何か。
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それはいつごろから考えるようになったのか。
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そのことと直結する「出来事」は何か。
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「じぶん」が遠ざけたいと考えていることは何か。
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それはいつごろから考えるようになったのか。
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そのことと直結する「出来事」は何か。
1から3の「問い」は、自分が感じていたい価値観を、4から6の「問い」は自分が遠ざけたい価値観を抽出するものです。
要するに、「じぶん」の「好き」と「嫌い」をあぶり出し、「なぜそのように考えるのか」「その根拠な何か」ということを挙げることで、「じぶん」の内面を可視化するということです。
「自己分析」と「他己分析」の結果を、このような視点で捉え直すことで、「じぶん」の歴史を冷静に振り返り、キャリアの分岐点における迷いから抜け出すこときっかけをつかむのです。
まとめ
昨日も伝えしたことでですが、「自己分析」と「他己分析」を行う際に、意識していただきたいことがあります。
それは、「過去」のじぶんに対して、「いま」のじぶんがあたかも「エール」を送るように対話をすることです。「過去」のじぶんに、「その出来事は、意味があったんだよ。」という思いをもって対話することです。
じぶんでじぶんを認めるという前提に立って、あらためて「問い」かけてみることで、見えてくることがあるはずです。
「自己分析」「他己分析」そして、「自己分析と他己分析の統合」という3つのステップを踏むことで、「じぶん」の解釈をより深めることができます。
「じぶん」を知る。
「じぶん」を可視化する。
このことが、キャリアの分岐点の迷いから抜け出す、遠回りな近道です。
時間をかけて、じっくりと取り組む価値があると、私は信じています。
本日も、お読みいただきありがとうございました。
【参考:【問いのチカラ】シリーズ】
hiratsukacareer.hatenablog.com
hiratsukacareer.hatenablog.com