社会人経験を重ねてきた40代を過ぎた転職でも、面接の準備について悩まれることもあるかと思います。社会人経験があると、上司との面接や社外の人とのコミュニケーションができていることから、他者との応答にはそれなりの自信があるものの、面接の準備をせずに本番に臨み、思うような応答ができなかったという声を聞いたりします。
面接はコミュニケーション力が試される場であることを考えると、面接の準備では、コミュニケーションにかかわる次の3つの視点を勘案することが大切です。
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自分を伝えるチカラ
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相手の問いを的確に捉えるチカラ
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相手を知るための問いかけのチカラ
転職の面接準備について、3回に分けてお伝えしています。
今回は、相手を知るための問いかけのチカラについてです。
【目次】
応募先の会社に興味を持てるか?
自分のことを知ってもらうための準備と同じくらい、相手のことを知る準備も万全にすべきであるとお伝えしました。それは、面接官から出される質問の問いに意図を的確に伝えるために必要だからです。
しかし、面接までに得られる情報は、会社案内やホームページ等から得られる文字情報であることが多いため、可能な範囲で活きた情報を入手したいものです。
この時点で、応募先の会社に興味を持てることが極めて重要です。応募先の会社に興味を持つことなく、相性を確かめるくらいの気持ちの場合、面接で自分の知りたい情報を得ることはできないでしょう。
自分が働いているイメージを通した情報を得る
面接の場は、応募先の会社の活きた情報を得る絶好の場です。面接官への質問を通して、自分に必要な情報を入手しましょう。
もっとも、つぎのような情報を問いかけることは避けるべきでしょう。
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ワーク・ライフ・バランスの取れる会社ですか?
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残業は多いですか?
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どんな雰囲気の会社ですか?
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(面接官に対して)やりがいは何ですか?
面接官は、これらの質問を、すべからく自分の知りたいことに限定した問いかけとして受けとめます。もちろん、自分が知りたい情報に意識がいきますから、やむをえないと思いますが、「相手思い」の意識を持つことが必要なのです。
たとえば、つぎのような「問いかけ」が必要です。
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自分の経験やスキルは、〇〇という事業で活かせると思いますが、〇〇の現在の課題は何ですか?
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自分の経験やスキルは〇〇というレベルですが、△△という事業で活躍するために必要となるものは何だとお考えですか?
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御社の財務諸表から〇〇ということが強みと捉えましたが、課題と感じていらっしゃることは何ですか?
これらの問いに共通することは、自分の解釈を踏まえて「相手を知る」という構造になっていることです。相手のことを知りたいという「相手思い」があるがゆえに、自分なりに考えたという姿勢があるということです。そして、その解釈は、自分が働いているイメージが投影されています。
面接官は、これらの問いを投げかけられると、「しっかり自分たちのことを知ろうとしている人」であるという印象を持つとともに、一緒に働いているイメージを感じやすくなります。
さらに、お互いが共通のテーマを持てたような感覚にもつながるため、よりリアルで活きた会社の情報の入手につながりやすくなります。
まとめ
面接は、自分の真摯な気持ちを伝えるとともに、応募先の会社についての活きた情報を知る場でもあります。
面接の場で、面接官から質問を受けるだけでなく、自分から積極的に「問いかけ」すれば活きた情報を得ることができますし、「自分で考えて行動する人」という好印象にもつながります。
このステップをきちんと踏まないと、面接を通過することは難しくなるでしょう。
仮にこのステップを省いて、面接をうまく切り抜けたとしても、転職後に後悔する可能性が高くなります。
40歳を過ぎた転職では、「自分で考えた問い」を通して、相手のことをしっかりと知ろうとする前向きな姿勢を持たなければいけません。
仕事は人生において重要な意味をもちます。後悔することのないよう、しっかりとした準備が必要です。