転職の面接では、必ず志望動機と自己紹介を求められます。
この場合、面接の冒頭に1分程度で手短に伝えることが理想的な対応ですが、往々にして必要以上に話してしまう人が多くいます。
面接のときに緊張してしまうから致し方ないことだとも思いますが、面接する側から見ると、冗長な印象を抱いてしまいます。
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リクエストの真意を読み取るチカラが足りない
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仕事ができそうにない
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賢そうにみえない
こうなってしまうと、その後の面接でのやり取りで相当程度挽回しない限り、面接を通過することは難しくなります。
ほんの少しの工夫次第で、面接での印象が劇的に変わります。
今回は、転職の面接に役立つ自己紹介の方法についてお伝えします。
【目次】
面接でしくじる人の自己紹介とは
自己紹介の場面で、延々と自分の経歴を伝える人がいます。本人は一生懸命に面接に臨んでいるつもりなので、時間を忘れてしまうため、長いと5分も独演会をしてしまうこともあります。
こうなってしまうと、明らかにマイナスの印象につながります。
独演会のような自己紹介の特徴は、「自分の売り込み」です。
「自分は〇〇ということをやってきました。」
「自分は〇〇という仕事をやってみたいです。」
このような感じで、ひたすら自分をアピールしてしまっています。
もちろん、そのエピソードがとても関心を惹くものであるならば、聞いてみようという気になります。しかし、そのようなケースは、ごくまれです。
「もっと話を聞いてみたい」と思わせる人の自己紹介とは
一方、自分の転職について、「きっかけ」と「過去+現在+未来」をエピソードとして伝える自己紹介する人は、一歩抜きんでている印象を面接する側に与えます。
具体的には、次の内容を押さえた自己紹介です。
- 転職を考えることになったきっかけ
- これまで携わった仕事と現在の仕事
- 自分が上げた代表的な業績とそれが転職先の会社に貢献できると考える理由
- 転職先の会社でやりたい仕事とその理由
1.は「きっかけ」、2.~4.は「過去+現在+未来」をそれぞれ軸にしていることがポイントです。
「きっかけ」には、自分の思いが人間力に、「過去+現在+未来」には、自分の可能性が持つ基礎力、専門力、再現力にそれぞれ表れます。
「きっかけ」に人間力が表れる理由は、そこに自分本位ではなく相手想いのチカラが端的に表れるからです。「自分が、自分が」という視点に加えて、そのほかに自分を取り巻く協働者とのかかわりが含まれていることが大切です。
「過去+現在+未来」には、ビジネスパーソンとして「地頭力」が表れます。とくに、再現力は、その人の可能性を感じさせる源泉となりますので、自分が上げた業績と併せて端的に伝えることが大切です。
このような自己紹介ができる人は、面接する側は、「仕事ができそうな人材」と捉えるのです。つまり、第一印象を良くすることになるので、自己紹介後の面接の応答も、「仕事ができそうな人材」というバイアスが効いて、プラスの影響をもたらすのです。
まとめ
中途採用する会社は、それぞれに求める人材像を持って募集活動を行います。したがって、転職活動する際は、募集している会社の歴史、事業内容、財務状況等の基礎的情報を的確に把握することは必須条件です。
また、求める人材像を通して、自分はどの程度当てはまりそうか想像することが大切です。
もっとも、{(基礎力)+(専門力)+(再現力)}×(人間力)の公式に当てはめて、4つの力について自分はどの程度の実力があるかを整理しておくことが極めて重要です。
自分の業績を丁寧に整理すること、そして、業績を通して将来貢献できることを「自分の言葉」で伝えられるようにしておくことが必要です。
このことが準備できていれば、自己紹介のみならず、面接における受け答えも自信をもって臨むことができるようになります。
しっかりと準備して、良い転職ができますように!