11月に入り、転職市場が大きく動いています。2018年4月入社に向けた転職活動が活発になっていることは、街中で見かける転職イベントの広告からも肌で感じ取れます。
転職することで自分のキャリアは大きく変わります。とくに、40代を過ぎての転職も、年代を問わず在籍している会社での居場所がなくなったことや、自分が活躍できる仕事を求めることがきっかけになります。
企業の視点では、若い世代と比較すると、会社人として活躍できる残存期間が短いという点がネックになるので、年齢や経験に相応のチカラが備わっているか否かが人材の見極めにおいて最重要となります。そして、その見極めは、「再現力」の程度が大きなウェイトをします。
【目次】
「再現力」を証明することの大切さ
「再現力」は文字通り、今までのキャリアで積み上げてきた実績がなければ証明することはできません。
どのような場面で
どのような困難があり
どのようにそれを乗り越え
どのような業績を達成したか
そして、その仕事を通して、どのようなチカラを身につけたか
これらのことを、自分の一つひとつの仕事に当てはめて、丁寧に振り返らなければ、自分が身につけた「再現力」を自分の言葉で伝えることはできません。
若い世代であれば、自分の「再現力」を盛ってしまうこともアリですが、40代を過ぎた転職においては禁じ手です。嘘偽りのない姿を適切に相手に伝えなければ、相手も正しい情報に基づく判断ができなくなることの他、転職した後に「看板倒れ」と評価される恐れがあるからです。
自分で挙げた業績から自分の「再現力」を証明できなければ、転職は見合わせることが賢明です。転職は文字通り裸一貫で自分のキャリアを積み上げる過程がある中で、再現力という信頼残高の源泉を持たないことは、大海原に手漕ぎボートで乗りだすことと同じくらい無謀なことだからです。
転職の目的を確かめるために
もし、会社での居場所がなくなったことや、自分が活躍できる仕事を求めることを目的とするならば、今在籍している会社で業績をあげることに集中することが必要です。自分から自分の価値を創り出すプロセスがなければ、
どのような場面で
どのような困難があり
どのようにそれを乗り越え
どのような業績を達成したか
そして、その仕事を通して、どのようなチカラを身につけたか
という自分の業績の振り返りはできません。
さらに言うと、少なくとも自分のチカラで成し遂げた業績が3つは必要です。
転職はあくまでも、自分のキャリアを豊かにするための手段です。
転職したいという思いと、募集案件の魅力が重なり合うと、自分のキャリアを豊かにするためには転職しかない、と思いこんでしまいます。ましてや、応募した企業の選考が順調に進んでいればなおさらです。
転職以外に目が向かないとき、自分の「再現力」を丁寧に振り返ることを省略してしまい、結果として転職にしくじってしまいます。
40代を過ぎた転職のしくじりは、なんとしても避けなければいけません。
まとめ その転職、本当に必要ですか?
転職を考えるとき、転職で得たいことは何か、なぜ転職したいのか、という当たり前のことを直視することをお勧めします。
つまり、転職ではなく、今在籍している会社で、自分が貢献できることはないか、もし貢献できたら目の前に何が現れるか、掘り下げて考えたいものです。
今の仕事を、本当にやりきったのか、自分に問いかけ、自信を持ってYESと答えられなければ、転職という手段を選択すべきではないのです。
自分のキャリアを花開かせたいという熱い思いを、冷静な判断のもとで実現することでしか、40代を過ぎた転職のしくじりを回避できないからです。