「どういうわけか、自分は損な役回りを引き受けてしまう。」
「会社の言うとおりに仕事をしてきたけど、会社は認めてくれない。」
「あの人はうまくコトを進められるのに、自分はつまづくことが多い。」
「やりたくないことばかりやらされる。」
このように「自分ばかり貧乏くじ」をひいてしまうと不満を感じてしまうとき、何をやっても「つまらない」と感じてしまいます。
この感情をもったままでいることは、とてもつらいことです。少しでも早く解放されることが必要です。
1.どういうときに感じるか
「自分ばかり貧乏くじをひいてしまう」と感じるときは、どういうときでしょうか。
人それぞれに、このような「負」の感情を感じる条件があると思いますが、人事の経験上、共通していることがあります。
それは、「他者と比較」していることです。
プラスに働かないとわかっていても、こうしてしまうのはどうしてでしょうか。
「自分ばかり貧乏くじをひいてしまう」と感じることは、「ネガティブな感情で自分の存在を認めている」と言えます。
簡単に言うと、「他者と比較することで、かわいそうな自分がいる。」と感じることで自己承認しているため、プラスに働かないことをやってしまうのです。
2.「やることを決める」
気持ちが下向きになってしまうと、芋づる式に「嫌なこと」が起こってきます。
「嫌なこと」が続くと、ますます気持ちが萎えてきて、状況が悪くなる。
この負のスパイラルから抜け出すには、「やることを決める」ことから始めると改善の糸口が見えてきます。
「目の前の仕事」に集中するということです。
私も「他者と比較」して、自分の処遇に不満を感じたことがありました。振り返ると、気持ちに余裕がなく、「目の前の仕事」に集中できなくなり、「他者と比較」していました。
誤解を恐れずに言うと、他者と自分を比較する時間を持て余しているほど「暇」だったのです。
このことに気付いたきっかけは、自分のメンターの一言でした。私の「他者と比較」して自分を認められていないという気持ちを理解したうえで、つぎのような質問を投げかけてくれました。
「それで、結局どうするの?」
「このままの状態をいつまで続ける?」
「今やっている仕事、自分にとってどんな意味がある?」
「なぜその仕事が必要で、自分に任されたと思う?」
これらの質問をなげかけられたとき、「それがわからないから、悩んでいる」と真っ先に感じました。そして、そのことをメンターに伝えました。
すると、メンターから
「今、ここで、やることは決めているか?」
という質問を返されました。
そのとき、自分が不足していることに気がつきました。
自分の時間を費やして仕事をしている、その時間の価値を考えずに、ただ与えられたことを「こなす」ことに集中してしまっている。
端的にいうと、仕事を進めるうえで、具体的な目標を掲げず、だた「こなす」ことを繰り返していたのです。
そのときから、仕事の目的を考え、自分で具体的に目標を決めるようにしました。
周囲との協業を考え、ゴールまでの行動計画を立てて仕事に取り組むようにしたところ、比べるべきは「他者」ではなく「自分」であることに気づきました。
「やることを決める」ことで、「自分のあり方」が見えてくる。
「自分のあり方」が見えてきて「他人と比べる」頻度が徐々に減ってきました。
そうなると面白いもので、「自分の立てた目標」と比べることが多くなっていきました。
3.まとめ ~「自分と比べる」~
「自分の立てた目標」と比較するようになると、自己成長を感じる機会が増えてきました。
PDCAが大切だとよく言われます。このPDCAがうまく回りだした実感が持ててくると、「できた自分」と「できなった自分」を比較して等身大の自分を捉えることができてきました。
結果的に「自分ばかり貧乏くじをひいてしまう」といったネガティブな感情で他者と比較することはなくなりました。
逆に、「どうやったら、あの人と同じようにうまく仕事ができるだろうか」という比較をするようになりました。
よい意味で他者をライバル視することで、「あの人のようになりたい」という意識が芽生えてきたのです。
「他者との比較」も、こういう基準になると、自己成長につながると実感しました。
「自分と比べる」という意識をもつことで、自己成長を感じることができます。
昨日よりも一歩でも成長している自分を感じることができれば、そのことで、自分を認めることができます。
少しずつでも、意識することで、状況は確実に変わってくるのです。
小さな一歩を大切にしたいですね。