「あの人事異動は、本人には酷だよな。。。」
サラリーマンの宿命である人事異動。自分の人事異動が、会社の同僚が左遷人事と感じてしまうようなとき、自分のこれからのキャリアに言いようのない閉塞感を感じてしまいます。
45歳を過ぎると会社の中で自分がどのような立ち位置であるか、なんとなく自覚できます。入社した当時に思い描いていたキャリアとおりになっている人もいると思いますが、多くの人は、想像すらしていなかったキャリアを歩んでいることでしょう。
サラリーマンであるかぎり、人事異動を避けることはできません。自分のキャリアを会社に任せる代わりに仕事を与えられている状況にあると言えるからです。
もっとも、45歳を過ぎてから自分のキャリアを切り拓くためには、このようなとらえかたは、なるべく遠ざけておくことがよいと、私は考えます。とくに、自分が望んいない人事異動のときは、なおさらです。
自分が左遷させられたと感じる人事異動のときは、「会社から評価されていない」と感じてしまいます。自分がいままで積み上げてきた実績を会社は評価していないから、自分が望んでいない人事異動を発令したと考えてしまうからです。
仮に45歳を過ぎて「会社から評価されていない」と感じ、自分のキャリアに閉塞感を感じたとして、踏みとどまることは得策ではありません。
そんなときに役にたつのが、「キャリアの閉塞感を打破する3ステップ思考法」です。
ステップ1:自分のキャリアパターンを振り返る
普段から自分のキャリアを定期的に振り返る人は多くないと思います。なんらかの転機と対峙しなければ振り返ることはないからです。自分の人事異動が左遷だと感じてしまったときは、まさになんらかの転機にあたりますから、一度時間をかけて自分のキャリアパターンを振り返ることが重要です。
振り返る方法は、簡単です。用意するものは紙(できればA3サイズ)とボールペンです。紙にはつぎの3つのことを書くだけで準備は完了します。
- 紙の左側に、縦線を一本書く。
- その縦線の中心点から、横線を右側に向けて書く。
- 縦線の中心部を起点に上部分に+(プラス)、下部分に-(マイナス)と書く。
2の横線に社会人になってから現在までのできごとを書いていくのですが、自分にとってプラスなできごとを上部分に、マイナスなできごとを下部分に書いていきます。古い順に左側から書いていくと、社会人になってから現在までの自分の軌跡を可視化できます。
プラスとマイナスを同時に把握できるため、自分の身の回りで起き波乱万丈を把握できます。このことを通して、自分のキャリアパターンを把握することができます。
把握できたら、プラスのできごともマイナスのできごとのそれぞれをそれらが自分にとってどのような意味をもつかを把握します。
このことで、自分のキャリアパターンをまずはつかんでみます。
ステップ2:自分にとって意味のあったできごとを選ぶ
つぎに、自分の軌跡を見ながら、現在の自分を形作ったできごとをいくつか選びます。当時はマイナスなできごとだと感じていたことが結果的に良い影響を与えていたりすることが分かってくると思います。もちろん、プラスなできごとが良い影響を与えていることもしっかりと再確認します。
これにより、自分の勝ちパターンを認識することができます。
勝ちパターンとは、マイナスのできごとから自分を成長させたときの自分の仕事への取り組み方、仕事への考え方を再認識するということです。
その際に参考になる視点は、つぎの4つです。
- 自分の社会人としての基礎力を学んだできごとはなにか?
- 自分の専門分野をつくったできごとはなにか?
- なにかを作り出すチカラを学んだできごとはなにか?
- 人とのかかわり方、自分のあり方を学んだできごとはなにか?
4つの視点を踏まえると、自分の勝ちパターンを明確にでき、「左遷だと感じても踏みとどまらずにもう一度立ち上がろう」という自信を垣間見ることができるようになります。
ステップ3:踏みとどまることで得られることを整理する
最後のステップは、左遷と感じたことで踏みとどまって得られることを自分の言葉で整理することです。キャリアパターンを知り、自分の勝ちパターンを知りました。
そのうえで、自分が前に進まないことによって、得られることが何であるか。
このことを、自分自身で言語化し、今後のキャリアのあり方を意思決定するのです。
意思決定が、今の会社でもう一度実績を積み上げることかもしれませんし、転職することかもしれません。あるいは、そのまま自分の殻に閉じこもることかもしれません。
いずれの場合も、自分にとって「居心地のよい」選択をすることが大切です。
まとめ
左遷と感じた人事異動が、実は自分のキャリアにプラスの影響を与えることがあります。ただ、そうなるためには一つ条件があります。それは、目の前のできごとに真摯に向き合い、そのできごとを楽しみながらやりきることです。
APPLEの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学でした有名な講話にそれが表れています。私は、その講話が意味することを「自らが創業した会社を追われたことも意味のある経験だった。一つ一つの経験はそれぞれを意味付けすることが重要だ。」ということだと捉えています。つまり、自分が対峙しているできごとすべてに意味があるということだと感じています。
今回お伝えした3つのステップ思考法を参考にすれば、左遷と感じている人事異動を意味のある人事異動としてとらえなおすことができます。
捉えなおすことができれば、かならず成果を積み上げるべく行動できるようになります。人事異動をあらたな出発点にすることができれば、自分のキャリアは広がりますし、必ず会社で必要な存在価値のある人材になれます。
あきらめずに、前進し、自らのキャリアを選択していくことが重要だと、私は考えます。
【過去の参考記事です】
↓ hiratsukacareer.hatenablog.com
hiratsukacareer.hatenablog.com