不本意な人事異動を感じているときは、自己評価が低くなっているときでもあります。そういうときは、アタマとココロに余裕がなくなります。それを放置することはおススメしません。じぶんのキャリアの可能性を狭めてしまうことにつながるからです。
今週は、人事異動の悩みと題して、不本意な人事異動と感じたときの対応を連載でお伝えしています。昨日まで、6つの対処法をご紹介しました。(タイトルをお示しすると、つぎのようになります。)
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不本意な人事異動への対処法 自分なりの落としどころの見つけ方
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不本意な人事異動への対処法 自分なりのプロ意識の確かめ方
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不本意な人事異動と感じたときに必要となる「柔軟さ」とは
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不本意な人事異動と感じときこそ、「じぶんの弱さ」と向き合おう
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不本意な人事異動で悩んでいるときに、試してみたい3つのこと
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不本意な人事異動と向き合うコツ 「ひらきなおり」を身につける
組織で働くからには、人事異動は避けて通れません。それゆえに、「人事異動を受け止める自分のあり方の確立」が大切になるのです。
自分の目の前に表れた人事異動を不本意に感じたとしても、それを撤回してもらうことは不可能です。(よほどのことが無い限りですが)撤回が不可能であるならば、残された選択肢は3つです。
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活躍の場を求めて、新天地に移る(転職する)
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今の会社にとどまり、じぶんがどのように貢献するかを意識し、全力で仕事をする
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今の会社にとどまり、現状維持で仕事をする
どの選択肢をとるかは、人それぞれだと考えますが、45歳を過ぎたキャリアチェンジは、かなり慎重になることが必要です。拙速な判断で、キャリアチェンジを後悔することは、ぜったいに避けなければいけません。もしも、迷うならば、「今の会社にとどまり、じぶんがどのように貢献するかを意識し、全力で仕事をする」ことを考えてみることもアリだと、私は考えます。
さて、昨日は、「ひらきなおり」を身につけることをお伝えしました。
とは言え、「なにかを変える」ことにはちがいがありません。
実は、この「なにかを変える」ということの難しさが、「不本意な人事異動を受け止める」ことを難しくしているのではないかと、私は感じています。
そこで、今日は連載完結編として、「なにかを変える」ための3つのヒントについてお伝えしたいと思います。
なぜ、「なにかを変える」が難しいのか
これは、ひとえに「一気に、劇的に変わりたい」という思いが先行するからだと思います。
「なにかを変える」という一言に、
「マインドを一瞬で変えたい」
「昨日とはちがうじぶんになりたい」
「大きな目標を実現したい」
という望みが隠れています。
それゆえに、「なにかを変える」という気持ちが高まったとき、その望みを実現するために一気呵成に動き始めることができるのです。
しかし、「なにかを変える」という思いをもつときは、じぶんには見えない「なにか」にアタマとココロが支配されてものです。そして、アタマとココロに余裕がない状態であることが往々にしてあるものなのです。
それゆえに、一気呵成に動き始めることができたとしても、すぐに熱が冷めてしまうことが多いのです。この状態が、「なにかを変える」ことの難しさにあると、私は考えています。
小さな変化をつくる
一気呵成に動き始め、その熱が冷めて停滞するくらいならば、「小さくはじめて、小さな変化を体感する」機会を創ってみるとよいでしょう。
連載5で
意識的に運動してみる
身近な場所を、局所的に整理整頓してみる
会社からの帰り道を変えてみる
ということを通して、ルーティンを変え、行動を小さく変えて、ものの捉え方や意識を変えてみることをおススメしました。
小さくても行動を変えることができれば、それは「変化」です。
この「変化」を創ることを軽視してはいけないと思います。これが、アタマとココロの余裕を生み出す源泉になると、私は考えます。
ヒント1:1日のはじまりに、Will to doリストをつくる
知らない場所を訪ねるとき、地図を手に街を歩くと思います。地図は、目的地までの道順を教えてくれるので、目的地まで迷うことはありません。(地図が読めれば、ですが)
逆に言うと、地図がないと、目的地まで迷うことになります。道順がわからないからです。
「なにかを変える」からには、その「なにか」を明確化しておく必要があります。
そのため、一般的に、1日のはじまりに「やることリスト」「タスク」を書き出すことが効果的だと言われます。私もそれには同感です。1日の過ごし方に計画性を持たせることは、1日の行動地図をつくることにほかならないからです。
もっとも、問いかけとして、少しだけ工夫が必要ではないかと思うのです。
「やることリスト」「タスク」という問いかけには、「〇〇しなければならない」という Have To 的な要素がどうしても含まれてしまいます。
人は義務感に近しいことに取り組むとき、どうしてもそれを回避したくなるものです。したがって、「やることリスト」「タスク」としてあげたことが未完了になってしまうことが起きるのではないでしょうか。
1日のはじまりに、Will to doリストをつくることで、アタマとココロの意識を「やりたいこと」を探し始めるモードに切り替える効果が期待できます。
「〇〇したい」というWill Toというモードで1日のはじまりをスタートさせることができれば、1日のはじまりを「じぶんが取り組みたいことを完了させる」というモードにできます。
アタマとココロが切り替わります。
じぶんモードになることで、アタマとココロに余裕がうまれやすくなるのです。
ヒント2:Will to doリストをつくるための時間をつくる
Will to doリストをつくるためには、そのための時間をつくるための工夫が必要です。そこでおススメしたいことが、朝の時間を活用する「朝活」を試すことです。
1分でも長く寝ていたいという気持ちはイタイほどわかりますが、あえて早起きして、朝の時間を活用するということです。
最初から早起きしようと意気込む必要はありません。
30分だけ早く起きて、散歩してみたり、本や新聞を読んでみたり、なにも考えずに空を見上げてみたりすることから始めても構いません。
大切なことは、小さな変化を体感することです。
早起きすることに慣れてきたら、Wil to Doリストをつくり、リストにあげたことを、実践してみると変化を体感することができます。
朝の60分は、昼の180分に相当すると言われます。
「朝活」を体感できるようになると、1日が充実するという実感をもつことができます。この実感は、快いものです。「快」の状態は、アタマとココロの余裕をうみだすことにもつながります。その効果が大きいのです。
ヒント3:小さなトライ&エラーを繰り返す
リストにあげたことを実践してみても、完了できないことや、リストにあげたことに着手できないことがあったりします。
しかし、凹む必要はありません。
大切なことは、「小さくはじめて、小さな変化を体感する」だからです。
「〇〇を続けたい」とリストにあげたけれども、続かなくて凹んでしまう、という相談を受けることがありますが、それにめげなくても構わないと思います。
続かなかったから小さくはじめることを断念してしまうよりも、続かなくても、もう一度、再開することができればOKだからです。
「小さくはじめて、小さな変化を体感する」とは、小さなトライ&エラーを繰り返すことだと、私は感じています。
小さなトライ&エラーを通して、「変わる」ことの体感値を増やすことに意味があると考えるからです。
小さなトライ&エラーを数多く積み上げることが、大きな変化、つまり「なにかを変える」につながってきます。
まとめ
「小さなことができなければ、大きなことはできない」ことを痛感しています。いまは大企業になっている会社でも、最初は小さな会社だったケースが数多くあることからもそう言えると思うのです。
しかし、「小さなことをはじめること」も簡単ではありません。
「小さなことをはじめられない(あるいは続けられない)じぶん」が表れるからです。
きょうは疲れているから、いいか。
いまは、少し忙しいからね
他にもやることがたくさんあるから。
時間がない。
いつでもできそうだから、はじめたいと思ったときにしよう。
人は、このように、じぶんに対する小さな言い訳を考えだす天才だからです。
ここで一つだけ注意が必要なことをお伝えします。
この小さな言い訳を放置することは危険だということです。なぜならば、これがじぶんの思考パターンの表れであることが往々にしてあるからです。この思考パターンを持ち続けるかぎり、「なにかを変える」ことを手にすることはできないのです。
そのためには、「小さなことをはじめる」ことを、まずは3日続けてみることをおススメします。小さな言い訳を3日だけ封印するのです。
3日できれば、3週間。
3週間できれば、3ヶ月。
途中で、途切れても歩みを止めず再開する。
このような意識で取り組んでみれば、小さくはじめることのハードルは下がるはずです。
不本意な人事異動を感じているときは、自己評価が低くなっているときでもあります。そういうときは、アタマとココロに余裕がなくなります。
しかし、それを放置するわけにはいきません。
繰り返しになりますが、じぶんのキャリアの可能性を狭めてしまうことにつながるからです。
【人事異動の悩み】は、今日の投稿をもって、連載は一旦完結します。
お伝えした3つのヒントを参考にしていただき、「小さくはじめて、小さな変化を体感」し、「不本意な人事異動」を受け止め、適切なキャリアの方向性をつかんでいただきたいと願っています。
本日も、お読みいただきありがとうございました。
【ご参考】人事異動の悩み:連載過去記事です。
hiratsukacareer.hatenablog.com
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