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なぜ、職務経歴書を書きあげるのは大変なのか。フロー状態を活かした強みの見つけ方のススメ

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「会社に自分のキャリア申告をするんですが、何を強みとして伝えていいのか、わからないんですよ。」

 

「転職の面接のときに、自分の強みをどう伝えればいいんでしょうか?」

 

「自己分析って、簡単なようで難しいですね・・・。」

 

キャリアの転換期における相談をうけるとき、「自分の強み」を自分の言葉で伝えることに難しさを感じている人が多いと感じています。

 

転職を考えているTさん(48歳)もそうでした。Tさんは、10年ものコンサルタントの経験があるビジネスパーソンですが、自分の転職については悩みが多く、2年近く転職したいけれども、なかなか一歩前に踏み出せないでいる状態が続いていました。

 

こんな悩みを抱えたTさんが、うれしい報告をしてくれました。

 

「ようやく、自分の強みを再確認できました!」と。

 

Tさんの迷い

Tさんはコンサルタントの経験があり、明晰な分析を得意としているものの、つぎのような迷いを持っていました。

 

「社会課題を解決するミッションを持っている会社に転職したけれども、なかなか見つからない。」

 

「仕事が立て込んでしまって、職務経歴書を書く時間がない。」

 

「うまくいくかわからないから、転職活動に臆病になってしまっている。」

 

私は、Tさん自身の内心に正直になり、自分の感情を明らかにすることが最初の一歩だとお伝えし、「それで、Tさんは何がしたいの?」というシンプルな問いと向き合うことを提案しました。

 

Tさんは言いました。

 

「確かにそうだな。いま、何がしたいのと問われて、すぐに答えられないな・・・。」

 

Tさんが感じたことは、自分の振り返りが十分にできていない場合はよくあることだと、私がお伝えしたところ、安心されました。

 

そして、改めて自分を振り返ることに注力され、感想を聞かせてくれました。

 

「今朝いつものルーティーンで、マインドフルネス迷走してたら、職務経歴書が自分らしくない!転職用のフォームにミニマムリサイズしている様に思い、マイナーチェンジ予定でしたが、フルモデルチェンジしたい衝動に駆られ、そうしようと思いました。棚卸しの再棚卸しに入りたいと思います。今週水曜休みで時間作り、進める予定です。今日は今週の疲れで夕方3時間爆睡してスッキリしました。つぎにお会いするときに何らか見せられる状態であればいいかなぁと思います!」

 

Tさんが寄せてくれた感想は、2つの大切なことを示しています。

 

1.迷いから抜け出すには、迷いの真っただ中に身をおくこと。

 

2.慌てずに落ち着いて、自分の現状を捉えてみること。

  

それでも職務経歴書が書けない・・・

迷いから抜け出すきっかけをつかんだTさんですが、その後も職務経歴書が書けずにいました。具体的な業績はあるものの、それと自分の再現力のつながりを明確に記述することができず、抽象度が高くなってしまっていたからです。つまり、何を伝えたいのかがボンヤリしてしまっている状態であったため、自分の強みが見えなくなりつつあったのです。

 

そうなると、人は行動を止めてしまうものです。Tさんは、職務経歴書を書くことが苦痛に感じてしまい、週末に書き上げる予定だった職務経歴書とは全く関係のないことに手を出しました。それは、Tさんのお子さんが通うスポーツクラブの部員募集ポスター作りです。

 

その話を聞いた私は、「おいおい、大丈夫かな?」と感じましたが、見守ることにしました。

 

結局、Tさんは土曜日の丸一日を使って、お子さんの通うスポーツクラブの部員募集ポスターを完成させましたが、自分の職務経歴書は手つかずのままでした。

 

思いもかけず、自分の振り返りができた

翌日、Tさんからメッセージが入りました。私はてっきり職務経歴書が書けていないことの言い訳かと思いきや、その内容は予想とはまったく違うものでした。

 

「昨日は色々予定立て、動こうと6時から海入って瞑想していたら、妻からのタスクで、子供達のクラブのメンバー募集告知ポスター制作が浮かんでしまい、帰宅後、先週撮影していた写真等で作り始めてしまい、結局夕方まで作業に集中で完成させ、6時からの練習に案を持たせました。案で出したつもりがその場でコーチや母親達の間で即決OKでミッションほぼ終了。

 

自分の棚卸をじっくり図書館ででもやろうと思っていたのがほぼ一日潰れた感がありました、が、メインで出した娘の同級生の女の子のお母さんから、めちゃくちゃ好感度評価で、なんか想いが伝わってスッキリした感じでした。

 

実は結果的に棚卸できてました。

企画構想、写真撮影、コピーライティング、グラフィックデザイン、集客手法立案等々を苦もなく、出来る。トータルなアートディレクション能力も、自分の強みであり、活かせる場で活かしたいと思いました。

 

①他にもある能力の輪の重なり×②人や社会の役立つ独自・新しい社会的システムデザイン×③家族を養え、精神的安定可能な収入

 

の3つが与えられた場所が自分の生き場所で活躍のステージだと思います。

 

が、具体性はこれから…ですね😊

 

いつもありがとうございます!

伴走、感謝です。」

 

私は、「結果的に棚卸できてました。」という一文を読んだとき、とてもうれしく感じました。Tさんも指摘しているように、具体性は補強する必要があるものの、自分の強みとミッション、描くビジョンを自分の言葉で粗削りではあるものの表現できていたからです。

 

思いもかけず、自分の振り返りができたことは、Tさんの転職活動に勢いがつく兆しとして感じられたからです。

 

思いもかけずは、偶然なのか?

Tさんが思いもかけず自分の振り返りができたのはなぜなのか。

私は、つぎの要因があったからだと考えました。

 

自分の好きなこと、得意なことに没頭したことと
自分の制作物を高く評価してもらい、自己効力感が高まったこと
その結果、自分の好きなこと、得意なことを再確認(明確化)できたこと


そして、これら3つの要因の裏には、Tさんが図らずも自らフロー状態を作ったことが功を奏したのでしょう。

 

「職務経歴書を書きあげなければ」と感じているとき、おそらくTさんは自分の思考回路を緊張状態にもっていってしまったのだと、私は考えます。それはTさんにとって「不快」な状態であったと思います。それゆえ、Tさんにとって「快」な状態を近づける好きなこと、得意なことに着手した。好きなこと、得意なことは、それが順調に進めば「快」の状態は高まる。そして、その成果物が他者から高い評価を得れば、ますます「快」の状態は高まる。

 

このようなポジティブな流れがフロー状態を作り出し、Tさんの思考回路の緊張状態を緩和したのだと、私は考えます。

 

まとめ

職務経歴書を書きあげることは、あんがい難しいものです。自分の職歴と成果創出力を端的に、かつ、迫力をもって書き上げなければいけないからです。

 

Tさんが職務経歴書を書きあげるのに苦労した理由は、つぎの2点にあると、私は考えています。

 

自分の職歴をかっこよく書き上げたかったから
自分の職歴が受け入れられなかったときの不安があったから

Tさんのような状態にある場合、自分の好きなこと、得意なことに没頭する時間をあえて作ってみることが一案です。

 

自分の好きなこと、得意なことに没頭する時間は、自分の思考回路の緊張状態を緩和し、脳に余白を作り出してくれます。そのような状態になったとき、等身大の自分を感じることができます。等身大の自分を感じることができれば、自分の強み(弱み)を冷静に受け止めることができるようになります。

 

時間に制約があるものの、自分の強み(弱み)を冷静に受け止める状態を作り出すことは、とても意味があることだと、私は考えます。

 

Tさんの体験を通して、自分にとってのフロー状態を作ることが大切であることを再認識しました。