「なんとか自分の現状を変えたいんですよ。」
「変わりたいんだけど、変われないんですよ。」
先日、お会いしたZさんが心境を告白してくれました。
現状を変えたいから、自分の理想像を明らかにした。
たくさんの本も読んだ。
セミナーにも参加した。
でもうまくいかない。。。
キャリアの転換期にあるとき、「変わりたい」という思いが生じてきます。その思いを持つことは、自分を振り返るという点で、とても大切なことです。
このような思いを持つ人は、とても真面目で、きちんと自分と向き合いたいと考えている人です。
しかし、それゆえに、動かない状況を自ら作り出していることに無自覚である場合が多いと、私は考えます。
インプット重視
「変わりたい」けれども「変われない」ことでアタマを悩ませている場合、状況を変えるために、インプットの時間に集中してしまう傾向が見られます。
「変わりたい」を実現するために、必要な情報を集めることに時間を費やしているということです。
インプットは、大切な行動です。否定はしません。
しかし、問題は、インプットすることに満足してしまうことにあると、私は考えます。
インプットは、自分が知らなかったことを吸収する機会です。
成長している実感を持つことができます。
たとえば、本を読むことは、作者の考えや経験を疑似的に体験することができ、あたかも悩み事が解決できたかのように感じることができます。
しかし、自己の体験としてのリアル感に欠けるため、往々にして「アタマでは理解したけれども、実行できない。」という状況に陥りやすいという課題があります。
理想の追求
それゆえに、「アタマで理解したこと」を実行できるようにするために、追加的に準備行動してしまいます。
「実行できない」を「実行できる」にするために、必要な情報を追加的に探究し始めてしまうということです。
「変わりたい」という思いを持つ人は、とても真面目で、きちんと自分と向き合いたいと考えている人だとお伝えしました。
それゆえに、自分に対して厳しい条件を無意識に設定しがちだと、私は感じています。
厳しい条件とは、つぎの3つです。
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自分が納得のいく計画が立てる
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成功が見通せる状態が整う
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100点を目指す
「野球のバッティング技術を変えたい」というケースでたとえてみましょう。
(1)インプット重視のフェーズ
・バッティングの教本を読む。
・DVDで打ち方を学ぶ。
・プロ野球選手の打ち方を学ぶ。
(2)理想の追求のフェーズ
・どんなトレーニングが必要になるのか、追求しよう。
・どんなバットが必要になるのか、調べよう。
・変化球への対処法を知ろう。
・どんなボールにも対処できるような準備を整えよう。
・それまではボールは打たないでおこう。
このような状態が生み出すことは、「動かない自分」ではなく、「動けない自分」を図らずも創りだしてしまっているということにほかなりません。
動ける自分になる6ステップ
動ける自分を創り出すことが大切で、そのための方法論をZさんにお伝えしました。
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自分が変わるための目標をポストイットにすべて書き出す。10分時間をとり、とにかく書き出す。
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書き終えたら、やりたい目標とやらなければならない目標に分類する。
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やらなければならない目標を書いたポストイットをゴミ箱に捨てる。
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やりたい目標のうち、1番やりたい目標を書いたポストイットを選ぶ。
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4.以外のやりたい目標を書いたポストイットをゴミ箱に捨てる。
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1番やりたい目標を書いたポストイットを実現するための行動計画を立てる。行動計画のスパンは、今月、今週、今日という軸で具体的な行動と小さなゴールを設定する。
このプロセスには、以下の効果があります。
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アタマの中にあるモヤモヤを書き出すことで、自分の脳内からはき出す。
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自分のアタマに余白を作り、1番やりたい目標のみに集中できる状態を作る。(やらなければならない目標と2番目以降にやりたい目標をゴミ箱に捨てる。)
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1番やりたい目標の行動計画を立て、実行し、トライアンドエラーを繰り返す。
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自分が行動したことで、変わることができた自分を体感する。
自分が1番やりたい目標ならば、自律的に実行計画を立て、トライアンドエラーを繰り返しながら、自分が変わることを体現しやすい、という考え方です。
まとめ
動ける自分になる6ステップは、アウトプットに集中するために必要なことと、私は考えます。
野球のバッティングの例で例えると、つぎのようになると、私は考えます。
(3)アウトプットする
・素振りする
・バッティングセンターで、得意な球種を打つ練習をする。
・得意な球種が打てるようになる。
・苦手な球種を打つ練習をする。
・苦手な球種が打てるようになる。
・練習試合で試してみる。
・うまくいかないならば、どんな工夫が必要になるか考え、練習する。
自分を変えたいならば、自分が1番やりたいことを通して、変わることができたという実感を体験する。
このプロセスが大切だと、私は考えています。
小さな一歩かもしれませんが、大きな変化につながる一歩になると確信しているからです。
6ステップをお伝えしたところ、Zさんは早速実行に移されました。
目の前で、6ステップに取り組み、1番やりたい目標に集中する決断と計画、今日できることに着手されたのです。
これからトライアンドエラーを繰り返し、少しずつ変わる自分を体感されるでしょう。
Zさんがどのように変わったか、後日お伝えしたいと思います。
本日も、お読みいただきありがとうございました。