「心のどこかに、やりたいことがあって。それが今になって、明らかになってきたんです。」
「このままじゃ、まずい。先行きを思うと、自分で何かをやらないと。」
「でも、やりたいことがわからないんですよね。」
定年が目の前にせまりつつあるとき、「自分のチカラでなにかをやりたい」という思いにかられる人がいます。
45歳を過ぎると、会社から与えられた課題をこなすことではなく、自分で見つけた「なにか」に挑戦していきたくなるからです。
こういう気持ちになることは、とても良いことだと思いますが、「やりたいことがみつからない」状態から抜けきくて立ち止まってしまうことがあります。
こういう、堂々巡りの状態を解決するためにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、「やりたいことがわからない」ときに役立つ3つの思考法についてお伝えします。
【目次】
1.「やりたいことがわからない」のレベルを確認する
定年後の生活を考えると、「やりたいこと」が「仕事」と直結している場合が多く見受けられます。この状態で「やりたいこと」を探し始めることは、入り口として「あり」です。
ただ、「やりたいこと」が、つぎのどの状態に該当するか、見定めることが重要です。
- なにがなんでもやりたいことを見つけたい、と感じている
- やりたいことが見つかればいいな、と感じている
- やりたいことを誰かが見つけてくれればいいな、と感じている
自分の状態が見さだまることで、自分の感情が何を欲しているかを確かめます。
これを通して、「やりたいことを見つけたい」と感じている真因を探り出すのです。
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2.「仕事」と「私生活」の2軸で自分を探る
「仕事」と直結して「やりたいこと」探しを始めると、「自分ができること」を探し始めてしまいます。
例えば、人事の仕事が好きではないけれども、人事実務の経験が長いから、それに関連するやりたいことを見つけようとしてしまうのです。
このように、「できること」は「やりたいこと」に発展する可能性が高いため、「やりたいこと」のなかで「できないこと」「経験していないこと」を除外してしまうことが往々にしてあります。
「やりたいこと」と感じるのは、なにかのきっかけがあるわけですが、そのきっかけを探るには「仕事」軸のみでは、とらえ方が狭くなってしまいます。
「仕事」に加えて「私生活」でやっていることにも目を向けることが重要です。
先ほどの例の続きでたとえてみましょう。
「私生活」で友人の仕事の愚痴につきあうことが苦ではなく、自分は悩んでいる人を受け止めることが多いということに気づいたとしましょう。
「仕事」上では「愚痴につきあうこと」はないものの、「私生活」で自分がやっていることがわかると、「悩み事に伴走すること」がやりたいことの候補として浮き上がってきます。
「仕事」と「私生活」のそれぞれで発見した自分のやっていることを因子とすると、それらを掛け合わせることで、「やっていること」に厚みがでてきます。
この厚みが、「自分ができること」から発展した「やりたいこと」が見つかる可能性につながるのです。
3.自分に影響を与えたことを深く掘り下げる
「仕事」と「私生活」の2軸で自分を探る際に、「現在」の軸だけではなく、「過去」にも視点を向けることが大切です。
自分が影響を受けた人(家族、師匠、上司、先輩、友人、後輩)や本、出来事について、「事実」を列挙します。
これらは、「現在の自分」を形作る因子です。この因子を掘り下げることは、「なぜ自分が影響を受けたのか、そこから学んだことは何か。」という感情面を知ることができます。
影響を受けた人や本、出来事は自分が体験していないことを擬似的に経験することになります。つまり、経験したこと以外にも「参照」することできるようになります。
自分に影響を与えたことを深く掘り下げることは、自分の「参照領域」を広げることにつながるため、「やりたいこと」が見つかる可能性が高まります。
4.まとめ 小さな一歩を積み重ねる
「やりたいこと(仮)」を見つけることが「やりたいこと」を見つける最初の一歩となります。
「やりたいこと(仮)」が、ほんとうの「やりたいこと」ではないかもしれません。
したがって、「やりたいこと」を見つけたら、小さくともいいので、試してみることが重要だからです。
試してみる過程で、新しい発見があり、「やりたいこと(仮)」が更新され、「やりたいこと」に近づきます。
悩んで立ち止まらずに、今回お伝えした思考法を通して「やりたいこと(仮)」を設定してみることをおすすめします。