「今までの仕事で自分の壁だった出来事は何だろうか?」
キャリアの転換期に、自分のキャリアを振り返ると、様々な思いが自分の胸の中をよぎります。
仕事の調子がうまくいっている時は気がつかなかったものの、何らかのきっかけでつまづきが生じる。
たとえば、面白味を感じない仕事を振り分けられたり、めんどうな揉め事にまきこまれてしまったり。
そういうときは、やろうと思っていても、なかなか前に進みだせなかったり、ついつい先延ばしにしてしまったりしがちです。
こういう状態は、自分の気持ちが「負のスパイラル」に陥る入口にあると言えます。
いわば、「やりたいことがわからない」状態にあるのです。
それに対応するには何から始めればいいでしょうか。
1.仕事を通した自分の過去を掘り下げる
未来は、過去と現在の延長にあります。したがって、なにかのきっかけがなければ、過去と現在と同じような未来が続くともいえます。「負のスパイラル」に陥りつつあるときは、「自分を見失っているとき」とも言えます。
そこで、自分の過去を掘り下げることによって、自ら変化のきっかけを創るのです。
最初に、自分の仕事での実績に焦点をあててみることが有効です。
具体的には、次のとおりです。
1.自分が誇れる仕事を3つ、他者に伝えるように、紙に書き出す。
2.誇れるポイントが何であったかを、他者に伝えるように、紙に書き出す。
3.そこから導き出される自分の強みと弱みを、他者に伝えるように、紙に書き出す。
大切なことは、他者に伝えるように紙に書き出すということです。
「自分のことは、自分がよくわからない」と言われています。頭の中で整理すると、「わからない」状態が続いてしまいがちです。
あえて紙に書き出すことで、思考が整理されます。また、他者に伝えるようにすることで、言葉によって自分を表現する意識が大切です。
自分の言葉で、自分を創るということになります。
2.困難を乗り越えたポイントを探る
仕事を通した自分の過去を掘り下げると、実績を創りあげる過程で、悩み苦しんだことや難しかったことがわかってきます。
そういうことを「壁」にたとえると、どういうことが思い浮かぶでしょうか。
その思い浮かんだ「壁」を乗り越えたからこそ、実績を挙げることができたという点に焦点をあててみることが有効です。
具体的には、次のとおりです。
1.実績を挙げる過程で対峙した壁を3つ、他者に伝えるように、紙に書き出す。
2.壁を乗り越えた経験から自分の強みを3つ、他者に伝えるように、紙に書き出す。
3.自分の本来の姿を掘り起こす
自分は、本来どういうことをやりたかったのでしょうか?
過去を掘り起した後に、自分の本来の姿にも焦点をあててみることが有効です。
具体的には、夢中になったことや趣味、好きな有名人、好きなブランド、やりたいことやなりたいことを、それぞれの理由やきっかけを、紙に書き出して整理します。
可能であれば、(1)小学生、(2)中・高生、(3)大学、(4)社会人20代・30代・40代、(5)現在といった時代に分けて整理してみます。
仕事とは関係のない自分を掘り起こすことで、「本来」の自分を見つめ直すことができます。
この時点で1と2を総合して、自分の中にある「アイデンティティー」と「キャラクター」を整理します。
「アイデンティティー」とは、自分の本来の姿であり、自分が求めているもの。
「キャラクター」とは、生きていくために演じている姿。
かならず、両者に違いがあることに気がつくと思います。
この違いを認識することが、「負のスパイラル」を回避するために重要になります。
4.まとめ 〜打ち手を探る〜
違いを認識することは、自分を受け入れることにつながります。
つまり、自分を理解するということです。
自分のやりたいことがわからない状態は、「アイデンティティー」と「キャラクター」の乖離が大きいということ。
しかし、その要因をつかむことができれば、その乖離を小さくするための打ち手が見えてきます。
その打ち手こそが、自分の再確認となり、キャリアの再発見につながります。
そして、「負のスパイラル」を回避できるのです。
1,2時間、静かな時間を作って、試してみる価値はあると思います。