45歳からの転職を検討し始めるならば、自分のキャリアの棚卸しが必要になります。
テクニカルには、履歴書や職務経歴書をつくるために、自分の経歴を整理することを第一に考える人が多いと思います。
しかし、自分のキャリアの棚卸しの前にやるべきことがあります。
それは、自分のポジショニングについてです。ポジショニングとは、自分が会社の中でどのような役割を担ってきたかを明確にし、自分の得意とする領域を確かめることで把握することができます。
45歳を過ぎたビジネスパーソンには、組織にゆらぎや変化もたらすことが要求されます。そして、実績にもとづく専門性や再現性に応じて市場価値が決まってきます。
ゆえに、自分のポジショニングを冷静に見極めることが重要になるのです。
得意とする領域は2つの軸で確かめる
自分の得意とする領域を確かめるには、2つの軸で整理することが有効です。
具体的には、事業ステージの軸と事業管理の軸です。
事業ステージの軸では、その事業が「新しい市場や分野」(以下、新規)か「すでに出来上がっている市場や分野」(以下、既存)により分類します。
事業管理の軸では、自分が「スペシャリストを担っているのか」(以下、スペシャリスト)、「マネジメントを担っているのか」(以下、マネジメント)により分類します。
2つの軸で整理すると、4象限に分解されます。
【新規】×【マネジメント】(第1象限)
【新規】×【スペシャリスト】(第2象限)
【既存】×【スペシャリスト】(第3象限)
【既存】×【マネジメント】(第4象限)
自分の得意とする象限はどの象限でしょうか?
実際に積み上げてきた職歴や実績を冷静に振り返ると、いずれであるかは明確になります。
企業が求める人材と自分の人材力のマッチング
求人案件を出している企業の成長ステージに応じて、どの象限の人材を確保したいかは異なってきます。
たとえば、スタートアップした会社が規模の拡張に応じて、コア事業の盤石なオペレーション体制を構築したいと考えるならば、第4象限に分類される【既存】×【マネジメント】を得意とする人材を求めるでしょう。
あるいは、創業者が掲げる理念を実行フェーズに移し、新しいビジネスモデルを創り上げられる人材を求めるならば、第1象限に分類される【新規】×【マネジメント】を得意とする人材を求めるでしょう。
あくまでも一般論ですが、45歳を過ぎた求人案件では、会社にゆらぎや変革をもたらすことを期待されるため、【新規】の軸にある第1象限と第2象限を得意とする領域である人材が有利になるでしょう。
まとめ
45歳からの転職を考えるならば、転職したいという気持ちを整理したり、企業研究をしたりする前に、自分が得意とする領域を、自分の職歴や実績をもとに冷静に捉え直すことが重要です。
その結果次第で、転職の実現性、転職先企業の検討範囲等が見定まってくるからです。
地味な作業ですが、この結果次第では転職しない方がよい場合もありますので、しっかりと時間をとって捉え直してみることをオススメします。
本日も、お読みいただきありがとうございました。