45歳を過ぎると、自分のキャリアの先行きが見通せるようで、見通せない、曖昧なものになることが往々にしてあります。
45歳を過ぎてからは、予期せぬキャリアチェンジと対峙する場面が増えてきます。予期せぬキャリアチェンジとは、主に自分の意に沿わない人事異動のことが多いでしょう。
会社という組織に所属する限り、自分の意に沿わない人事異動を避けて通ることはできません。それゆえに、破れかぶれになって自分のキャリアを台無しにしてしまうこと、自分の生活基盤を失ってしまうことは絶対に回避しなければならないのです。
それゆえに、「余力」があるときに、自分のチカラを丁寧に振り返ることが重要なのです。
そのために重要な視点は、3つあることをお伝えしてきました。
自分がチカラを尽くして、組織に貢献した経験は何か。
自分が能力を高めて、組織に対してインパクトを与えた経験は何か。
自分が何のプロフェッショナルであると明言できるか。
今日は、2つめの視点である「自分が能力を高めて、組織に対してインパクトを与えた経験は何か。」について、お伝えしたいと思います。
組織に対するインパクトとは?
インパクトとは、「影響」のことです。「影響」には、業績を上げるという意味での貢献も含まれますが、どちらかというと、「組織における存在価値としての影響」という意味で捉えてください。
存在価値は、業績を上げることの他に、組織内外との協業関係構築力や組織力を高めるための働きかけ力、組織内の人材育成力といったことに影響を与えることで構成されます。
組織に存在していること自体が、付加価値の創出につながっていることとも言えます。
もっとも、必ずしもビジネススキルによるものではありません。
その人がいるだけで組織が引き締まる、一致団結する、といったような「影響」も含まれます。
能力を高めるとは?
人材育成は会社の責務であるものの、それだけに頼ってしまう人に、組織の中での存在価値を備えている人は少ないものです。
ビジネスパーソンとして、自分の能力を高めることに自律的でなければいけません。
自律的に自分の能力を高める人は、その目的が明確です。その目的の中には、第一義的には組織のためでなかったとしても、自分が所属している組織で働くために必要な能力を得たいと意識が存在しているはずです。それが間接的ではあっても、組織に対するインパクトを想定しているものである場合が多いのです。
まとめ
2つ目の視点である「自分が能力を高めて、組織に対してインパクトを与えた経験は何か。」とは、組織における自分の立ち振る舞いを振り返ることをおススメします。
会社の中で、どのような人物として評価されているのか。
どのような人に必要とされてきたか。
仲間からどのような場面で感謝されたのか。
仕事上必要なスキルを、自分から学ぼうとした理由は何か。
学んだスキルを活用して、組織全体がうまく動いたことはあるか。
組織における自分の立ち振る舞いとは、自分の「人間力」の表れです。
人と人が協働している場において、自分はどういう存在であるかを確かめることでもあります。
それゆえに、じっくりと時間をかけることが必要になる。つまり「余力」のあることが必要になるのです。
まずは、会社の中で自分がどのような言動をしているのか、を振り返ることから始めてみるといいでしょう。
本日も、お読みいただきありがとうございました。