再現力とは、思考力という考え方を昨日お伝えしました。
実際にどのような困難があったのか
それをどのように乗り越えたのか
そのとき、何に留意してきたのか
その困難は自分をどのように鍛えてくれたのか
4つ問いを通して再現力を捉えると、自分がどのような仕事、どのような付加価値を創出してきたか、自分がどれだけ考えて仕事をしてきたか、という視点で、自らの再現力を確かめることができます。
もっとも、45歳を過ぎた転職を考えるとき、もう少し深く、自らの再現力を捉え直すことが有効です。
そこで、今日は、もう少し深く、自らの再現力を捉え直す2つの視点をお伝えしたいと思います。
その1:組織として成果をあげた経験があるか
45歳を過ぎると、一人のプレイヤーとして評価されることに加えて、「組織の力を使って成果をあげるチカラ」の有無によって評価の差が大きな差が生まれます。
具体的には、
チームとしてどのような成果をあげたのか
自分は、チームの成果にどのような貢献をしたのか
ということを、事実をベースに伝えるチカラが備わっているかを見極めることが重要です。
45歳を過ぎると、組織をマネジメントして成果を上げることが求められます。一人で成果を上げるよりも、組織(チーム)で成果を上げる方が、成果の総量が大きくなるからです。
したがって、自分が過去に携わった仕事の一つひとつを、「組織力を束ねた成果」と「その成果創出への具体的な貢献」という視点で整理することが、自分の価値を高めることにもつながります。
実際、面接の場面で、社会人としての成果をあたかも自分ひとりで創りだしたかのように語る人がいます。そういう人に、「組織としての成果はどういうものであったのか」を問いかけると、答えがモヤモヤすることが往々にしてあります。
おそらく、面接の場で伝えた成果は自ら上げたものではなく、組織の一員として、フォロワーとして携わってきたことだったのでしょう。あたかも自分が率いて成果を上げたかのように面接の場で伝えても、事実と異なることを迫力をもって語ることはできません。
自分ではうまく演じられたと思っていても、受け手には、「作話」であることが明らかに伝わるものです。
それゆえに、自分の社会人としての歴史を、事実をもとに振り返ることが重要になるのです。そのためにも、「自分」という「個」の軸を「組織」という軸に拡げてみることで、自らの再現力を深く捉え直せるのです。
その2:考え抜いた経験があるか
自らの再現力を深く捉え直すもう一つの視点が、「考え抜いた経験」という視点です。それは、「考え抜く」という行動が、ゼロから付加価値を生み出すための原動力となり、自分のオリジナルな視点の持ち方につながるからです。
ゼロから付加価値を生み出す
自分のオリジナルな視点を持つ
この2つの特性は、どのような環境下においても、成果を出すという意思と行動につながります。これはリーダーシップと言い換えることもできると、私は考えます。
もう少し具体的にすると、つぎのような経験を事実ベースで整理することをおススメします。
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どうしようもなく先が見えない中で、なんとか打開策を講じなければならない修羅場の経験
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理不尽に丸投げされた仕事を、なんとか建て直した経験
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だれもやりたがらない仕事を、自らの責任のもとで引き受けた経験
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モチベーションが落ちている組織を建て直した経験
これらの経験は、「考え抜く」ということを通して、
「どうしたらうまくいくか、うまくいくための方法は何があるか」
「過去のうまくいった経験を統合するとどうなるか」
「ボトルネックになっていることは何か?」
といった自分なりの解決策を見いだすチカラを養ってくれているはずです。
これは、「再現力」の源そのものと、私は考えます。
それゆえに、「考え抜いた経験」を丁寧に整理することが重要なのです。
まとめ
「組織として成果をあげた経験」「考え抜いた経験」はいずれも、自らの再現力を振り返るために有効な視点です。
なぜならば、これら2つの経験はリーダーシップに直結するからです。
再現力は、リーダーシップの無い人には宿りません。
自ら苦しみながらも考え抜き、決断し、結果を導き出すという経験を整理することは、一つひとつの出来事に対して、理屈をもって説明することができます。
これこそが、「再現力」であると、私は考えます。
自分の社会人としての歴史、自分史を丁寧に整理することで、一人ひとりの中に宿っている「再現力」を引き出せます。
時間をかけて、取り組むことで、光を見出すことができると、私は信じています。
【昨日投稿した記事です。】
hiratsukacareer.hatenablog.com