45歳を過ぎると、自分のキャリアと親の介護で悩むことは多いのではないでしょうか。
実際に介護してみて実感したことがあります。
それは、自分が計画していたように予定を進めることができないことです。
「今日は、9時から10時で洗濯したり買出ししたりしよう。」と計画していても、親から体調が悪いという訴えがあったら病院に連れて行ったりするわけです。
病院に行ったならば、そこで1、2時間待つことになり、予定は大きく狂うことになります。
正直、このような状況にいらだちを覚えたこともありました。
いらだちを覚えて、それを解消する有効な手立てがわからなくて、最初はずいぶんとアタマを抱える日々を過ごしました。
このような状況であっても、自分のキャリアと親の介護を両立させなければいけない現実があるからです。
なんとか手立てはないものか??
ふとしたとき、この機会を通して、「何か自分のキャリアに役立てることはないか」という視点で介護に接するようにしてみようと思いたちました。
そうしたところ、気づいたことがいくつかありました。
今日は、私が気づいたことのひとつ、「説得しないことの大切さ」についてお伝えしたいと思います。
言うことを聞いてもらおうとしない
介護を受ける側の親と接するときに、ついつい自分の思い通りに動いてほしいという思いが強くなってしまうものです。
そうなると、自分の思いを強要してしまいがちになり、自分の言うことを聞かない親にいらだちを覚えるということに気づきました。
「私は○○して欲しいから」
「こういう○○はしないで欲しい」
このような自分の思いを強要し、説得しようとすればするほど、介護を受ける親はその通りに行動しませんでした。そして、説得すればするほど、どんどん距離が遠くなるように感じました。そこで、開き直って、言うことを聞いてもらおうとしないように接することにしました。
受けとめる
介護を受ける親の言うことを、まず聞くことにしました。もちろん、親の言うとおりにしないこともあります。
しかし、「なにを求めているのか」を知ろうという気持ちで、接するようになると、親との距離感が縮まりました。
そして、「なにを求めているのか」を知ろうという気持ちは、親のことをありのままに「受けとめる」ということなんだ、ということに気づいたわけです。
この気づきは、自分のキャリアにおいても、プラスになりました。
自分とかかわる他者を、ありのままに受けとめる
自分が今感じていることを、ありのままに受けとめる
このように、自然体でいることが、もしかすると自分のキャリアを考える上でも必要なのではないか、ということに気づいたのです。
じぶんにも優しくなる
親の介護を通して、自分の目の前で起きていることに抗うことなく、受けとめることが大切だということに気づいてから、自分のキャリアについても、ありのままを受けとめることの大切さを痛感しています。
自分のキャリアとは、自分の過去の積み重ね。
その一つひとつを大切に取り扱い、自分なりに意味つけていく。
親の介護を通して、はからずも、私が大切にしている価値観を再認識することになりました。
「自分ができるときに、自分ができることをやる」をモットーに親の介護をしていて、自分のほんとうにやりたいことをありのままに受けとめることに意味があるということです。
自分を自分で無理やり説得しない、という気持ちを持つといいと感じています。