この2年間、独り暮らしをしている父親の介護を続けています。
介護といっても、独りで生活することができているので、週末に実家に立ち寄って部屋を掃除したり、洗濯したり、1週間分の食材を購入したりと、生活するために必要となる準備をする程度です。
寝たきり状態の親御さんを介護されている方の方が、精神的にも身体的にも、ずっと大変だと思います。しかし、実家に一回立ち寄ると平均4時間を費やしますので、それなりに自分の時間を使うことになるので、ふとした時に「あっ、けっこう疲れるな。」と感じてしまったりもします。
年老いた父親は、最近のできごとを記憶できなくなったり、何度も同じことを聞いてきたりします。いわゆる短期記憶力が劣っている状態です。
もうすっかり慣れてきましたが、介護を始めた頃は、それなりにイラついたりしたものです。
45歳を過ぎると、自分のキャリアと親の介護の両立を考えなければいけないときがくるものです。いつまでも元気だと思っていた親に介護が必要になったとき、初めて迷い、悩んだりします。
女性が育児と自分のキャリアを両立させることが簡単ではないことを、親を介護していていてつくづく感じるようになりました。
年老いた親を見ていて、人はゆるやかに幼い頃に戻っていくのかな、と感じることがあります。年をとることで、自分でできることがだんだん少なくなっていくからです。
忘れっぽくなる
怒りっぽくなる
急にさみしがる
親は大人であることに変わりはないのですが、その内面はこどものようなものになっているように感じます。
それゆえに、親が自分がこどもの頃にしてくれたように、「自分ができるときに、自分ができることをやる」ということを意識するようになりました。
親の介護を自分ひとりで抱えて対処することは、とても難しいことです。しかし、他人に任せることを責任放棄のように考えてしまうと、自分ひとりで抱えてしまうことにつながりかねません。
介護を自分ひとりで抱え込まないという前提をもっていないと、自分を苦しめることにつながってしまいます。
「自分ができるときに、自分ができることをやる」は、他者との協業しながら介護するという前提があってはじめて実現できることだと、私は考えます。
他者とは、介護保険を活用した介護支援(ケアマネージャー、ヘルパー、訪問看護師、デイサービス)や自分の身内(兄弟、配偶者)や近隣の知人の方々も含めることが大切だと思います。
私は、試行錯誤しながら介護を続けてきましたが、やっていくうちに、このことに気がつきました。
自分のキャリアと介護の両立を考えるようになると、どうやら仕事にもプラスの影響があるようだ、ということです。
そこで、明日から5日間、親の介護を続けて感じた、自分のキャリアとの両立策について、私が感じたこと、考えたことをお伝えしようと思います。
45歳を過ぎた社会人が、親の介護を通して、自分のキャリアも磨いていくことを実現できるようになることを願って。