会社で評価されていないようです。転職するしか道はないと思うんです。どんな準備をすればいいのでしょうか?
44歳のHさんから相談がありました。
メーカー勤務、20年。有名私立大学を卒業したHさんは後輩にも昇進で追い抜かれ、部下なしマネジャーとして8年経っているとのこと。
40代の転職は相当厳しいことを理解しつつも、転職しか道はないと感じているようでした。
Hさんのように、会社に居場所がないことに悩み、転職を考え始める人は多いと思います。自分のチカラをより発揮したいと考え、転職を選択肢にすることは自然なことです。
しかし、安易に40代の転職を進めることは避けるべきだと私は考えます。安易な転職は、転職のしくじりにつながってしまうからです。
今回はHさんへのアドバイスをもとに、40代の転職で準備するポイントをお伝えします。
【目次】
転職を考えるきっかけ
そもそも転職を考えるきっかけが、会社に自分の居場所がないということならば、自分に思いあたる節がないかを確かめることが大切です。
たとえば、
仕事の納期管理
自分が得意とする分野
任された仕事の完成品質
上司や同僚とのかかわり方
といったことについて、自分自身に足りていないことがなかったかを自問自答してみましょう。
少しツライ振り返りになりますが、自分の居場所がないと感じるきっかけが自分の言動に起因しているかもしれないからです。
先にあげた4つの例は、人材力を形成するつぎの4つのチカラと関連しています。
基礎力
専門力
再現力
人間力
今の会社でできること
もし、自分の居場所がないと感じることが、自分のチカラが足りていないことと関連しているならば、転職には慎重になる必要があります。
専門力と再現力に力不足感があるならば、仮に転職が叶ったとしても転職後も居場所がないと感じる可能性があるからです。
むしろ、今の会社でできることに目を向けることを考えてみることも一案です。しっかりと今の会社で実績を積むことが自分のキャリアを切り拓くことにつながります。
転職できるチカラを見極めよう
自分の人材力を的確に見極めることが、40代からのキャリアを切り拓く原点になります。
転職できるチカラはあるか?
この問いに明確な答えが出せることができれば、転職に向けた土台は出来上がっていると言えるでしょう。
的確に見極めるためには、自分の人材力を可視化することが必要です。自分の居場所がないと感じ、転職を考えるときに自分の人材力を見極めていないと、転職を失敗する可能性が高まります。40代の転職を失敗することだけは避けなければいけません。
転職の準備
失敗を避けるためには、転職を考え始めたときからしっかりと準備することが大切です。
転職できるチカラがないと感じているならば、今の会社で実績を積み上げる。これも長い目で見たら転職の準備になり得ます。
自分の人材力についても、自分の言葉で明らかにできるようになるには相応の時間が必要です。
準備をしっかりせずに転職したり、根拠のない自信を持って転職したりして、転職したことを後悔してしまうからです。
まとめ
大切な人生、充実した時間を過ごしていただきたいと願っています。
今の会社で評価されていない、と感じてしまうことの本質を見極め、どのようなビジネスパーソンになりたいか、自分のキャリアを振り返ることを通して可視化することが大切です。
40代の転職で失敗や後悔はダメージが大きく、立ち直りに時間がかかります。
同じ時間を過ごすならば、自分のキャリアが広がることに時間を費やしていただきたいのです。