45歳からの年収1.5倍化プログラム

キャリアを再生させる5つの視点(好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心)から、自分の価値を再発見して、これからの15年を30年の濃さにしよう!

長崎の魚を東京で3倍の価格で流通させることから学ぶ自分の付加価値を上げるための3つのポイント 

今日は、中小機構が主催する「社会課題をビジネスで解決する」に参加しました。 CSV経営をテーマにCSN地方創生ネットワーク株式会社の代表取締役 野本良平社長の講話を聴いてきました。

 

同社は、日本の漁業を元気にするをミッションとして、水産流通の課題を明確化し、行業者とともに、「一工夫した地方の魚の高付加価値化」に取り組まれています。

 

この「高付加価値化」というプロセスは、キャリアの価値を高めることにも参考になると考え、今回のテーマとしました。

 

 

 

1.日本の漁業の現状

 

 

野本社長によると、漁業は儲からないという認識が広がっているようです。これは、漁業者の高年齢化、後継者不足による漁業者の減少、乱獲による水産資源の枯渇という問題に起因しているとのこと。

日本の漁業は、オリンピック方式という漁場に来た者が、根こそぎ漁獲してしまう方法で営まれ、資源管理しないことが問題になっているようです。

 

結果的に水産資源の枯渇につながり、水産資源の価値を上げることにつながっており、海外との格差が広がるという点が問題視されています。ちなみに、グローバルスタンダードは、漁獲高を割り当て、IQ方式という形態をとっていて、水産資源を確保した持続的な取り組みが進んでいます。

 

これに加えて、水産流通に3つの問題点があり、漁業の付加価値を下げている要因になっているようです。

 

具体的には、つぎの通りです。

 

①複雑な流通経路:

最終消費者に魚が届くまでにいくつもの流通過程があり、魚の鮮度が落ち、付加価値が下がる

 

②セリ取引から相対取引へ:

市場が大手スーパー等との大型取引にシフトしたことから、市場でのセリ取引から、あらかじめ取引価格を決める相対取引が増え、結果的に最終価格をあらかじめ決められてしまうので、漁業者の手取り収入が減少する。

 

③時代遅れの休業日設定:

もっとも売れる曜日である土日、祝日に市場は休みである。市場は消費者目線に欠けている。築地市場の取り扱い高は30年前は1兆円に迫る勢いであったが、現在はそのおよそ50%程度になっている現状を踏まえると、従前の感覚での休業日設定は時代遅れである。

 

これらの問題点は、業界構造もあり、社会課題になっているということでした。

 

2.地方の漁業を活性化させる

 

 

そこで、野本社長は地方の漁業者を活性化させる取り組みに着手し、魚の売り方革命を実現されました。

 

一手間加えることで、魚の鮮度を落とさない。

地方で取れた魚を、その日のうちに東京に流通させる

 

いつ、どこで、だれが、どのような漁法で獲ったかまでを把握でき、魚流通のトレーサビリティーを確保する

 

中間マージンをカットし、漁業者の収入を上げる

 

 

このようなポリシーのもとで、漁業者に日本の漁業の現状と自分たちの獲った魚を高付加価値化することへの意義を伝えることで、モチベーション改革を行い、時代の変化に対応する漁業者を増やしていかれました。

 

「ただ獲った魚」から「商品としての魚」として捉える。漁業者が本質を見極めはじめ ”1%でも流通が動くと市場が変わる” という信念で、流通革命を起こし続けていらっしゃいます。

 

実際、長崎で朝獲れた魚を東京で「朝獲れ魚」として流通させると、長崎の3倍近い価格で流通するようです。

「地産池消」に加えて、地方が自ら稼いでいく力を身につけることが、地方創生には必要であると力説されていたことが印象に残っています。

 

3.長崎で獲れた魚を東京で3倍の価格で流通させることから学ぶ

 

 

この取り組みは、自分の付加価値を高めることにもそのまま応用できると考えました。

 

1.何が課題であるかを正しく理解する

 

 

漁業の現状を正しく理解することから、漁業者はその現状を変えたいという思いになり、腹落ちして、自分たちの行動を変えられたと伺いました。

 

自分のキャリアについても同様です。

 

自分の立ち位置がどうなっているか、現状を直視できていないことが、自分の付加価値を上げられない要因になっています。

 

現状を正しく理解し、自分に何が必要となるか行動を変えることが付加価値を上げる第一歩になります。

 

2.ひと手間、ひと工夫する

 

 

魚を獲った後、鮮度を落とさないための処理を丁寧に加えていると伺いました。このひと手間、ひと工夫することで、魚の味が大きく変わるようです。

 

実際、野本社長の会社の魚を刺身で試食させていただきましたが、まったく臭みがなく口に入れるとそのままとろけるような味わいでした。

 

仕事をするうえでも、自分なりのひと手間・ひと工夫が小さな差別化につながります。

 

その際 、自分だけの思いで取り組むのではなく、自分の仕事を渡す相手が必要としていることを想定しながら、取り組むことが大切です。

 

上司との関係性でいえば、たとえば、仕事を単に前例踏襲で進めるのではなく、自分で考えた工夫を、上司との対話を踏まえて、創りこんでいくことです。

 

3.顧客に合わせた行動を取る

 

 

漁業者の方は市場の開場時間に合わせて漁に出ていたようですが、地方で朝獲れた魚を東京に流通させるためには、その時間では間に合いません。

 

そのため、顧客の手元に届く時間から逆算して漁にでるという行動パターンに変えたと伺いました。

 

いままでと同じことをしていて、高い付加価値を得ようとすることに無理があります。

 

行動を見直すことで、高い付加価値を得られたという話は、キャリアの再生にも通ずるものがあります。

 

自分の仕事は、何のために、誰のためのものであるかを意識することが大切であることが、野本社長の取り組みからも明らかです。

 

顧客目線を意識するようになると、自分のキャリアで欠けていることが浮き彫りになります。

 

自分で考える、あるいは、上司と対話することで、自分のキャリアを磨き上げていく。

 

キャリアを再生するためには、必須のプロセスです。

 

4.まとめ 小さな差別化を続けられれば、キャリアは再生できる

 

野本社長の取り組みから、小さくとも、自分にしかできないことを持つことが大切であると再認識しました。

 

そして、できることを、確実に進めていくことが、キャリアを再生させる近道なのです。

 

(追伸)

野本社長の獲った魚を味わえる店、数多くあります。

わたしも行ってみます!

 

 (ご参考)

飲食店

 http://hanedaichiba.jp/restaurant/

 個人向け通販

 http://shop2.hanedaichiba.jp/smartphone/