私はこのブログで、「一人ひとりの積み上げてきたキャリアのなかに、必ずお宝となる財産が存在している」ということを伝えていきたいと考えています。
それゆえに、転職のノウハウをお伝えするよりも、時間をかけて自分の社会人としての歩みを整理することを大切なプロセスとして捉えています。整理した自分の社会人としての歴史のなかから見出せるキャリアの傾向を自分の言葉で語ることができれば、自分の存在を自分の言葉で認めることにつながり、それが自分を勇気づける原動力となるからです。
このような考えに至ったきっかけは、スタンフォード大学の故クランボルツ教授が提唱された”計画的偶発性理論”という考えを知ったことでした。
20年以上前の話ですが、この理論を知るまでは、自分のキャリアを右肩上がりの成長直線で描き、それを実現するために必要な知識やスキルを身につけることに意識をもっていました。
キャリアをデザインすることの誤解
自分の理想とするキャリアをイメージし、それに近づくように行動することで、自分のキャリアをデザインすることが大切だ、と信じていたのです。
しかし、現実は自分がデザインしたようにはなりませんでした。そして、思うようにいかない自分のキャリアを目の当たりにしたとき、漠然とした不安を感じました。自分で自分のキャリアをデザインすることは不可能で、他人にキャリアの行方を委ねなければならないと感じたからです。
世の中の先を読むことはできない。
一寸先は希望でもあり、闇でもある。
予期しないことは起こりうることである。
自分のキャリアが思うように広がらないときは、こんな当たり前のことが視界に入らなくなるものです。
私は、キャリアをデザインすることの意味を、思い描いたキャリアに近しい現実を手に入れることと誤解していたのです。
キャリアをデザインすることは可能
”計画的偶発性理論”を知ってから、キャリアをデザインするという意味を誤解していたことを認識しました。
それは、
自分のキャリアに予期せぬことが当然のように起こるのならば、それが自分にとってどのような意味をもつのか、という視点で捉えること。
意味づけされた予期せぬことを、自分の過去のキャリアと結び付け、連続させることで意味づけをより深めること。
といった解釈をすることで、自分のキャリアを自分自身で意味づけすることで、デザインすることができるのだ、という認識に至ったからです。
計画的偶発性理論をススメる理由
自分が実際に体験したことを自分の言葉で意味づけし、自分の将来のキャリアを広げるきっかけにする、というプロセスで自分のキャリアをデザインは実践的な行動だと、私は考えます。
自分のキャリアを自律的に捉えるという行動は、自分の可能性を自ら見いだそうとする生産的な活動であり、希望の光を手繰り寄せるきっかけになるからです。
計画的偶発性理論は、5つの視点を大切にしている理論です。
好奇心
持続性
楽観性
柔軟性
冒険心
一つひとつを意識して、自分の社会人としての自分史を振り返ることで、自分のキャリアを通して自分のミッションを確かめることができます。そして、自分のキャリアに行き詰まりを感じていたとしても、自分の言葉で再生することが可能になります。
想定外の人事異動、ソリの合わない上司、思うように動いてくれない部下、転職の迷い、といったキャリアの悩みを解決することも可能です。
それゆえ、私は”計画的偶発性理論”をキャリアに迷っている人におススメしているのです。
まとめ
キャリアの悩みを解決する有効な方法として、”計画的偶発性理論”をご紹介しました。
明日からこの理論を構成する5つの視点について、詳しくお伝えしていきます。
そして、”計画的偶発性理論”を活用して社会人としての自分史を通して、自分のキャリアをデザインすることの大切さをお伝えしたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。