2017年になってから、日本経済新聞で中高年齢者の転職市場が活況をおびてきているという記事を3回目にしました。中高年齢者が定年後に職業に就くという転職も含めてのことと思いますが、この傾向は続くと考えます。
2020年には45歳以上の労働力人口が半数を超えると予測されているからです。
現在45歳の人の場合、公的年金の支給開始は65歳からです。
そして、多くの会社は労働基準法に定める60歳を定年としていますので、貯えがあったとしても、老後の生活資金を考えると、公的年金支給開始までの5年間は何らなの仕事をすること必要です。
他方、公的年金の受給開始年齢を繰り下げると、年金受給率が増えます。仮に70歳になったときに、受給開始することすれば、終身で受け取れる年金額が割増されるため、老後の生活の安定に寄与します。
そこで、仮に70歳から公的年金受給を開始すると、45歳はまさに職業人生の折り返し地点にいることになります。
【目次】
1.45歳から準備することの大切さ
70歳まで働ければ、老後の不安も解消されます。
そのためにも、職業人生の折り返し地点である45歳のときから、自分のキャリアを自律的に築いていくことが大切です。
つまり、45歳からどんなキャリアについて、準備するということです。
日本の企業は、長期雇用を前提としていることが多く、「あなたは、ここまでですよ。」と直接言われるのは、定年間際だったりします。
このように緩やかな配慮のようなものがあるように感じます。
自律的にキャリアを選択しようにも、その選択がないままに時が過ぎてしまう。
そして、気づいたときには自律的にキャリアの選択をするための準備期間がない、という状況になります。
多くの人は、現時点で自分のキャリアを準備できていないという「痛み」はそれほど大きな「痛み」にはなりません。しかし、何年後か経過したときに、自律的にキャリア選択できないことを認識したとき、準備不足という形でその「痛み」が目の前にたちはだかります。
したがって、準備不足とならないことが大切になります。
2.自分の「強み」を探す準備
具体的な準備として、必要になることは自分の「強み」を見つけることです。
経験した業界・職種、自分の専門性といったスペックも「強み」になりますが、中途採用する場合、これらが同程度であるならば、将来の可能性がある若年者に分があることなります。(若年者の方が人件費がかからないという背景もあります。)
45歳を過ぎてからは、これらのスペックに加えて、「そもそも、自分はどのような課題を解決するために役立つ機能人材であるか」という視点が求められます。
「自分で仕事を創り上げてきた経験」
「社内外の人との円滑なコミュニケーションをとってきた経験」
これらの経験は、今までの人生を振り返り、自分が身につけてきた「強み」を言語化していくことで掘り起こされてきます。
もし、「強み」が足りていないと感じるならば、45歳からでもこれらの経験を積み上げていかなければなりません。
この点でも、自律的キャリアを積み上げるための具体的な準備が必要であることは明らかです。
3.まとめ 自分の肩書創り
準備が必要なことはわかっているけれども、なかなか着手できないものです。
また、「自分の強み」は自分ではわからないものでもあるから、何から準備すれば良いかが見えてこないからではないかと感じます。
そこで、「強み」を「肩書き」にとらえてみると良いのではないでしょうか。
自分を表現する「肩書き」は、現在所属している会社外でも通用する能力であり、求められる人材としての物差しにもなります。
自分の経験を活かして、自律的なキャリアを歩むために、「強み」を見える化させることは、自分の存在価値を確かめることでもあります。
そのためにも、自分で「肩書き」を創りあげることに取り組むことが45歳からキャリアを自律的に創り上げるためには大切になります。