人手不足感はあいかわらず続いているように感じています。
40歳を超えた求人市場もこれと比例して活況をおびています。
中小企業や地方企業の管理職としての求人案件が高まっているようです。45歳を過ぎた転職は厳しい状況と言われていますが、付加価値を生み出しうるキャリアの持ち主であればチャンスはあります。
今後、高齢社会に突入することは明白です。45歳を過ぎてからも、まだまだ活躍できる。私はそう信じています。
しかし、転職するときは、極めて慎重な姿勢が必要です。
転職するか否か、後悔しないためにも、しっかりと自分の判断を見極めることが重要になります。
今回は、転職で後悔しないための3段階チェック法をお伝えします。
【目次】
あらためて人材力を構成する要素をお伝えします
このブログでお伝えしている人材力を構成する要素について、あらためて述べます。キャリアについていつも次の【公式】を伝えます。
【人材力】=(【基礎力】+【専門力】+【再現力】)×【人間力】
これら4つの「力」を、自分の人材力を振り返る大分類として捉えます。
それぞれの「力」を具体的な事実をもとに整理することは「社会人としての自分史」を整理することです。
自分ひとりしか持ち合わせていないオリジナルの「社会人としての自分史」からでなければ、「自分固有」の魅力は出てきません。
これら4つの「力」を軸に振り返った「社会人としての自分史」は、履歴書、職務経歴書、面接などの転職の場面では「ブレない自分軸」になります。
この分析を経て、「自分にはやっていけそうもない。」と感じる場合は、転職せずに今の会社で仕事を続けることをお勧めします。
「転職するか否か」を冷静に分析する
45歳を過ぎた転職を検討する際、「やみくも」に動くことは後悔につながります。絶対に避けなければいけません。そのためには、4つの「力」にもとづく「社会人としての自分史」をしっかり振り返った後に、確かめておくべきことがあります。
「そもそも転職する必要はあるのか?」ということです。
「転職しよう。今の環境を変えてみよう。やりたいことができて、自分のキャリアを活かそう!」と高揚感が高まっているときは、「隣の芝生は青く見える」状態に陥りやすくなっています。冷静に転職の必要性を考えられなくなっていることが往々にしてあります。
「やみくも」に動くということは、「転職するか否か」を冷静に分析しないということを意味します。
「なぜ?」を3回繰り返す
ものごとの真因を追求するには「なぜ?を3回繰り返せ!」と言われます。「転職するか否か」を冷静に分析するときも同じようなプロセスが有効です。
転職で後悔する人の多くは、この「なぜ?」を3回繰り返すことをやっていないことが多いと感じています。
実は、私も「やった方がいいけど・・・」と思いつつ、「自分の直感を信じよう!」という根拠のない判断軸で転職することを検討し決断し、自分の考えの甘さに気づかないまま転職したことでとても後悔した経験があります。同じような思いをしていただきたくないと思っています。
【キャリアを振り返る3ステップチェック法】とは?
やり方は、実は簡単です。紙と鉛筆があれば準備は整います。
第一段階は、そもそもの「なぜ?」から始めてみましょう。
「なぜ、転職しようとしているのか?」
第二段階では、その理由をあげてみます。
「自分のキャリアを活かしたいから」
「人間関係をリセットしたいから」
といったレベルで構いません。
第三段階では、この理由に対して、それぞれ2つつづ理由をあげていきます。
「会社が分社化する可能性があるから。」
「自分のキャリアにあった公募があったから。」
「今の仕事から配置転換になりそうだから。」
「後輩が自分を追い抜いて上司になりそうだから。」
第四段階では、第三段階であげた理由に対して、それぞれ2つづつ理由をあげていきます。
たとえば、つぎのような理由で構いません。
「分社化すると自分の居場所がなくなるから。」
「転居を伴う異動が全国レベルであるから。」
「人生設計にブラスだから。」
「今をこのチャンスを逃すと、二度とチャンスが巡ってこないだろうから。」
理由に対して、2つづつ深堀りする理由をあげていくと、自分の思考プロセスが整理されていくと思います。
ここまで整理できたら、これらの理由に対して「転職」という手段が最善の解決策であるか否かを冷静に判断します。これらの理由に対して、今の会社で自分ができることはないのか、現実逃避を望んでいないか等を冷静に取り上げます。
ここで、転職することに自分の心が違和感を感じなければ、転職するタイミングと捉えてよいでしょう。反対に、自分の心に「まだ、やり残したことがある」といった違和感があるならば、転職のタイミングではないと判断すべきです。
違和感は、転職した後に、「失敗した」や「後悔している」という残念な感情につながり、自分のキャリアにおけるパフォーマンスが著しく低下するからです。
まとめ
私は、「必要なことはわかっているけど、自分の直感を信じれれば大丈夫。きっと間違いなから。」という根拠のない自信をもとに「やみくも」に転職を選択しました。
冷静に判断しなかったため、転職直後に「失敗した」「後悔している」という感情を持ってしまい、リカバリーするために相当苦労しました。
現実を目の前に、なんとかリカバリーしなければならない、と感じたときに、転職当時の気持ちを整理してみようと思い立ち、今回お伝えした「4ステップチェック法」を遅まきながら取り組みました。
転職後に自分が選択したときの気持ちを整理し、後付けでそれを自分に意味づけするということに応用したのです。
「やってしまった・・・。」という現実を意味あるものに転換するときでも、この3段階チェック法は効果的でした。
45歳を過ぎた転職について、今どうしようか否かを迷っている方は、面倒だと思っても、【キャリアを振り返る4ステップチェック法】に取り組んでみてください。きっと、正しく自分の思考を捉えることができ、冷静に転職の可否を判断できるようになります。
45歳を過ぎた転職で、その判断を見誤ることは絶対に避けなければいけません。
時間をかけて振り返る。そして、転職だけがすべてではないということも頭の片隅に行置いておきましょう。今の会社でがんばることも、キャリアを積み上げるためには有効なこともあります。
やみくもに動いて、転職で失敗や後悔することがないように願っています。
本日も、お読みいただきありがとうございました。