「職場の人間関係」は代表的な転職理由の一つです。
事実、上司、同僚、部下との人間関係が好ましくない場合、図らずも心身に影響が現れることがあります。自分が居心地のよい職場で働きたいと考えるのは、当たり前のことですから、それが転職理由になることはうなずけます。
もし、あなたが、「職場の人間関係が好ましくない」と感じて、転職を考えはじめているならば、そのことと適切に向き合うことが必要です。
そうでなければ、転職した後に、同じことで悩むことになるからです。
自分の欲求の正体
誰しも、人から認めてもらいたいと思うことは当たり前のことです。
私は、認めてもらいたいという欲求が、自分の意欲を高めることにつながるならば健全だと考えます。
しかし、そうでない場合は注意が必要です。
「自分の考え方が受け入れてもらえていない」と感じ始めると、自分の視野が狭くなるからです。
視野が狭くなると、どうなるか。
「自分の考え方が受け入れてもらえない」=「自分は認めてもらえていない」という捉え方をするようになります。そして、自分が身を置く環境を変えることがその解決策のように考えるようになります。つまり、転職することを考え始めるのです。
他人との比較が「被害者意識」に
視野が狭くなると、自分以外の他人が認めてもらっているように感じやすくなります。
たとえば、上司に対して提案するとき、「自分の考えは受け入れてもらえないものの、職場の同僚の考えは受け入れてもらえている」ように感じてしまうのです。
「なぜ、自分の考えは受け入れてもらえないのか。」
「○○さんは、同じことを言っても受け入れてもらえて、ずるい。」
「自分よりも、あいつの方が評価が高い。」
このように、自分の置かれている状況を他人との比較軸を通して評価してしまうことになりがちです。それが悪いことに「無意識」のうちにです。
他人と比較して、自分をもっと高めていきたいという気持ちになるときは、自分をポジティブに動かす原動力になります。
しかし、そうでない場合の他人との比較軸は、往々にして、自分をネガティブに動かす原動力となります。自分をネガティブに動かす原動力は、そのまま「被害者意識」に変わっていきます。
「被害者意識」は、自分を冷静に評価することを遠ざけるので、注意が必要になるのです。
まとめ
「職場の人間関係が好ましくない」ことが原因で転職活動を始めたとしても、それを転職理由として明言する人はいないでしょう。それを包み隠して転職活動をすることが一般的です。
転職歴が少なく、ビジネススキルが高ければ、40歳を過ぎた転職活動も順調に進むことでしょう。そして、転職活動が順調に進めば進むほど、自分が認めてもらっている実感を感じるので、転職意欲も高まります。
しかし、自分の本当の転職理由である「職場の人間関係が好ましくない」の原因をはっきりとつかめていないならば、転職先でも同じことで悩むことになります。
もし、あなたが、「職場の人間関係が好ましくない」が原因で転職しようか迷っているならば、つぎの3つのことを確認しましょう。
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自分が認めてもらえていないと感じるときに、「被害者意識」になっていないか、確認する
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どういうときに、自分で自分を認めることができるか自己認識する
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「職場の人間関係が好ましくない」が転職を考える理由ならば、何が原因でそのように感じているかを自己分析する
本日も、お読みいただきありがとうございました。