40歳台のビジネスパーソンは、時として、自分のキャリアの見通しが立たないという漠然とした不安を抱くことがあります。
自分は何ができているのか
自分は何を目的で仕事をしているのか
自分の仕事に達成感を感じられない
若いころはパフォーマンスが高かった人であっても、40歳台にキャリアの見通しが立たなくなると、キャリアの踊り場にいるかのような錯覚を持つからです。
私が、転職するか否かで迷いを感じている人に対して、「やり方」よりも「あり方」を見極めることが大切だとお伝えしている理由は、「あり方」を見極められれば、錯覚を解消することができると考えているからです。
昨日、ビジネスパーソンならば、自分の「あり方」を知らないと損をするということをお伝えしました。
そのなかで、自分の人材力を明確化することが「あり方」を見極めることにつながるとお伝えしました。「あり方」を知ることは、悩みの原点を冷静に見極めることにもつながります。
そこで、今日は、冷静に見極めるためのヒントをお伝えします。読み終わったとき、なぜ私が「あり方」を確かめるというめんどくさいことをオススメするか、わかっていただければ嬉しいです。
自分の鏡を持つ
「人は、自分のことはよくわからない。」とよく言われます。
たとえば、人は自分の表情を自分の目で直接見ることはできません。顔と目は一体化しているからです。人が自分の表情を自分の目で直接見るためには、自分の表情を映すモノが必要です。自分の表情を映すモノの代表的なモノは、鏡です。鏡を手にすれば、人は自分の表情を自分の目で見ることができます。
同じように、自分の考えや思いも、人は直接感じることができないと、私は考えます。
自分の考えや思いを直接感じるためには、その媒介となる鏡のようなモノが必要になります。
自分の「あり方」は自分の考えや思いの一つと捉えると、自分の「あり方」を直接感じるための鏡が必要になることがわかります。
冷静さにつながる鏡を備えるタイミング
なんで、こんな仕事を俺がやらなければいけないんだ!
やってられない!
キャリアの踊り場は、自分がやりたい仕事を任されていないときに、自分の目の前に現れます。そして、その多くは、自分の専門性や経験が活かせないというフラストレーションから生まれるものです。
会社に所属していると、自分の思うような仕事を任されないことがあります。
しかし、自分の力で解決できない境遇のときこそ、自分を写す鏡を見つけるタイミングです。
フラストレーションを感じているときは、それを解消する妙案が浮かばず、思考停止しまうものです。
逆説的ですが、自分の頭の中が混乱しているからこそ、自分の人材力を整理できると一気に混乱が解消するからです。
具体的には、自分の人材力を紙に書き出すことで自分の考えや思いを写す鏡が出来上がると思うのです。
目線の置き方を確認する
自分の考えや思いを写す鏡を通して、自分の人材力を整理するときのポイントは、自分の目線の置き方の確かめ方だと私は考えます。
自分の目線の置き方は、自分の人材力と密接にかかわるからです。
具体的には、目線を置く高さと目線を置く広さを確かめます。仕事をする上で、どのような立ち位置で仕事を進めてきたか、どのくらい先を見据えていたかによって、自分の人材力の発揮具合が変わってきます。
自分がフラストレーションを抱えるとき、往々にして目線の置き方が低く、かつ、手元になりがちです。
自分の思うようにならないときは、自分の目線の置き方を変えると、違う景色が見えてきます。目線の置き方を高く、かつ、遠くにすると、物事を俯瞰して捉えることができます。
全体を捉えることで、自分の置かれている状態を冷静に見ることができます。
このような状態のときに、自分の人材力を改めて確認してみると、自分が仕事に対して大切にしていることが鮮明に浮かび上がってきます。
この浮かび上がってきたことが、自分の「あり方」だと私は考えます。
まとめ
キャリアは長いスパンで捉えることが、極めて大切です。
40歳台のビジネスパーソンが、自分のキャリアの見通しが立たないという漠然とした不安を抱くことは往々にしてあります。
そういうとき、転職しようか否かで迷ってしまうことがあり、短絡的な決断をしてしまいがちになります。
ゆえに、焦ることなく、自分の「あり方」を確かめないと、損しかねません。
自分の考えや思いを写す鏡として、自分の人材力を紙に書き出すこと。
そして、それを見るとき、目線をより高く、より遠くに置くこと。
この2つのことを意識することで、自分のあり方を明確にできます。
キャリアの選択を失敗しないために。
本日も、お読みいただきありがとうございました。