自分が思うようなキャリアを描き、それを実現していきたい。
誰もがそう願うものだと思います。
かつての私も、そうでした。そして、自分が思うようなキャリアを描き、それを手に入れることができた、と感じていました。
それなりのポジションにつくことができ、そのポジションにいる自分を誇らしく感じ、それがそのまま自分のチカラだと感じていたのです。
しかし、自分が思いもしない人事異動を言い渡されたとき、自分が感じていた誇りであったり、自分のチカラというものの儚さを感じました。
組織で働いているかぎり、自分の思うようなキャリアを実現することは簡単ではありません。人員配置は、組織の論理に基づき実行されるからです。
思いもしない人事異動を言い渡された私がとった手段は、自分のチカラで自分が思い描くキャリアをつかみとりにいくことでした。それは、すなわち、転職という選択肢を選んだということです。
転職の与える影響は、一人ひとりの抱えている事情や背景によって異なるので、一概にその是非を判断することはできないと、私は考えます。転職することによって可能性が広がり、豊かなキャリアにつながることが大いになるからです。
しかし、かつての私は、安易に転職という選択肢を選んだため、想像以上の苦労を味わいました。
40歳を過ぎた男が選んだ道、自己責任である。
どんな結果も受け入れる。
アタマでわかっていても、ココロではそう受けとめきれない自分がいました。いわば、どん底を味わっていたのです。
どん底のときにやってはいけない3つのこと
その1:むりやり前向きになる
どん底の真っただ中にいるとき、そこから抜け出そうと、とにかく前向きになろうとするこで、苦しさが増した経験があります。むりやり前向きになって、ものごとのポジティブな側面を捉えてみようと試みると、そうしている自分が痛々しく感じ、空虚な気持ちになったからです。
振り返ると、ネガティブに流されていく自分がいたと思います。
その2:ネガティブになりすぎる
とは言え、ものごとをネガティブに捉えようとすると、かえってネガティブな考えが深まった経験があります。どん底がより深いところまで落ちていく感じです。
あのとき、こんな選択しなければよかった。
どうして、こうなることがわからなかっただろう。
ネガティブになりすぎると、視野がどんどん狭くなり、ネガティブさが増してきてしまうと思うのです。意識しないうちに、斜に構えた思考回路が身についてきてしまいました。
斜に構えた思考回路は、日ごろ使う言葉にも影響を与えてくるのです。
その3:暗い言葉を発する
ネガティブになりすぎると、暗い言葉を口からしないことです。思考回路がネガティブ回路にあることで、発する言葉もネガティブな言葉になるからです。
言葉のもつ威力は軽視できません。自分の口から発した言葉は、自分の耳を通って自分の脳に影響を与えます。明るい言葉であれば良い影響を、暗い言葉であれば、悪い影響をそれぞれ与えるのです。
どん底にいた当時の私は、
失敗した・・・。
が口癖になっていました。
こんな言葉を口に出したところで、何にも解決しないにもかかわらず、繰り返し口に出していたのです。当然、自分に悪い影響が出てきました。やることなすこと、意味がないように感じるようになってきたのです。
どん底から抜け出すきっかけ
転職した直後から1年位、私はやってはいけない3つのことをやっていました。
今から思うと、よくそんなに長い期間やっていたな~と思えます。思うに、どん底のまっただなかにいるとき、そこから抜け出す方法が見当たらなかったから、そうすることしかできなかったのだと思うのです。
その後、計画的偶発性理論を踏まえた社会人としての自分史をつくることを通して、どん底から抜け出ことができたのですが、そういう気持ちになったきっかけがあります。
そのきっかけは、友人との何気ない会話の中にありました。
どん底にいた自分が、自分の不甲斐なさを友人に愚痴っていたときのことです。友人が私にこう言いました。
「それで、どうしたいの?」
続けて、こう語りかけてくれました。
「でも、結局、このままでは終わらないでしょ。」
友人が投げかけてくれた何気ない言葉を聞いたとき、鳥肌がたったことを覚えています。
「そうだ、このままくすぶってばかりいられない。今の状態をなんとか抜け出そう。」
こう心底思ったのです。
「このままでは終わらないでしょ。」という一言が、私の胸にグサりと突き刺さりました。「どん底のままで終わりたくない!」という強い気持ちを呼び起こしてくれたと、今でも感じています。
それ以降、「このままでは終わらない。」が「このままで終わりたくない。」という気持ちを持つようになれました。
今思えば、1年近く、どん底に身を置いていたことよかったのかもしれません。言い方は変ですが、「どん底を味わい尽くした」ことが、友人の何気ない言葉により、「もうおなかいっぱい、どん底を味わいたくない」という気持ちにさせたのだと思うのです。
まとめ
前向きな考え方、前向きな言葉、前向きな視点という具合に、前向きになることが、豊かなキャリアを築いていくには必要だと、私は考えます。
私の場合、むりやり前向きになろうとすると、そうしている自分が痛々しく感じてネガティブになり、その結果、暗い言葉を発するという、どん底を自ら深めるスパイラルを作ってしまっていました。
この状態が続いているときは、どん底から抜け出そうにも抜け出せません。
そこで、提案があります。
どん底から抜け出そうという気持ちがあるならば、自分にこう問いかけてみてください。
「このままで終わりたいの?」
この問いかけに、NO!と言えたならば、自分のキャリアを再生できると、私は考えます。
それは、自分のチカラで立ち上がろうという気持ちが残っている証だからです。
時間はかかるかもしれません。しかし、この気持ちが残っているかぎり、可能性を拓いていけると、私は信じています。
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【参考記事】
(1)計画的偶発性理論とは??5つの視点とは??
hiratsukacareer.hatenablog.com
(2)計画的偶発性理論の5つの視点:好奇心とは?
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(3)計画的偶発性理論の5つの視点:持続性とは?
(4)計画的偶発性理論の5つの視点:楽観性とは?
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(6)計画的偶発性理論の5つの視点:冒険心(リスクテイク)とは?