じぶんの過去を振り返ることで、じぶんの資質を見極める。
このプロセスの大切さを感じる機会は、めったにないと思います。
時間をかけて、まどろっこしいことに取り組むことが手間がかかることだからです。
第1回から第3回にかけて、「自己分析は経験価値分析」「じぶんの過去に自分ならではの価値が存在している」ことをお伝えしてきました。
第4回目は、「小学校」「中学校」「高校」「大学」のそれぞれの学生であった時期ごとに振り返ることの大切さと、捉え方の視点についてです。
学生であった時期は、大人になるための準備期間にあたります。その時期に、じぶんが経験した数々の出来事は、少なからず自分の資質につながるものです。
それゆえに、丁寧に取り扱えば、思わぬ原石(じぶんの価値の源泉)と巡り合うことがあるのです。
想い出
この時期に感じた想い出を、つぎの視点で振り返ってみることをおススメします。
①先生との関係
②友達、親友、同級生との関係
③先輩、後輩との関係
④部活動、サークル活動、アルバイト等の経験
家族以外の人とのかかわりは、じぶんを取り巻く小さな社会における活動であると思います。それゆえに、その小さな社会において、じぶんはどのような立ち位置にいたのか、どのようなことを感じていたのか、なにを学んだのか、といった思い出を振り返ることは、じぶんのなかの価値観を築くきっかけになっているものです。
経験
数多くの経験があると思います。経験は人とのかかわりだけにかかわりません。
つぎの視点で振り返ることをおススメします。
①影響を受けた本、映画、事件等
②苦手な科目、得意な科目(理由)
③受験勉強、就職活動
いずれも経験の詳細と当時感じたことを合わせて書けるだけ書き出すことが大切です。
これらの経験は、自分のなかに色濃く残っていることが多いはずです。じぶんの中の感情がどのように動いたのか、という視点で捉えることが大切です。じぶんの心の動き方を冷静に捉えることができるからです。
自分の足跡
幼少期と比べると「小学校」「中学校」「高校」「大学」はじぶんの記憶もはっきりしていることが多いと思います。それゆえ、自分が歩んできた足跡の記憶も輪郭をもって捉えることができるはずです。
①じぶんが成し遂げたこと
②じぶんを誉めてあげたいこと
③じぶんが後悔したこと
④じぶんが失敗したこと
⑤じぶんはどのような学生であったか
これらについては、具体的な出来事とその出来事を挙げた理由を、可能な限り詳細に書き出すことが大切です。書き出すことで、様々な記憶が想起されてくると思います。それぞれ、一つに限定することなく書き出せるだけ書き出してみましょう。
経験で捉えたじぶんの心の動き方と照らし合わせてみることで、じぶんの心の動き方のクセがわかるようになります。
心の動き方のクセが「強み」「弱み」を形成する素となっていることが往々にしてあります。
まとめ
学生であった時期を通して、じぶんがどのように変化してきたかを捉えることに意味があります。
当時の目標や夢、目標や夢に向かってどのように行動してきたか。
それらをじぶんの言葉で書き出すことは、当時のじぶんを客観的に捉え、現在のじぶんがもつ価値観とのつながりを再認識することになります。
現在のじぶんの価値観は、どういう経験、どのような心の動き方のクセを踏まえて捉え直すことでもあり、じぶんの価値を再認識することでもあるのです。