自己分析を通して、じぶんのリアルな姿を認識するために、じぶんの過去からの気づきが大切です。まどろっこしいけれども、深い自己分析になるからです。
第1回目では家族とのかかわり、第2回目では幼少期の体験を主な視点として、じぶんの過去を振り返る方法をお伝えしてきました。
今回は、じぶんの過去を回想するうえで、意識しておくとよい視点をお伝えします。
じぶんの価値を伝えることの難しさ
じぶんの価値は「強み・弱み」の明確化である、と認識されている方が多いと思います。たしかにその通りであるのですが、「強み・弱み」を明確化する際に、じぶんの価値を上げる体験を上手に見つけて、じぶんの言葉で表現できるようになることが大切です。
採用面接において、会社がどのような人を採用したいでしょうか。
たとえば、
コミュニケーション能力が高い人材
主体的な人材
協調して仕事ができる人材
ストレス耐性がある人材
等が挙げられるかと思います。
しかし、多くの人が、このような人材は好印象を得る確率が高くなることを認識しているにもかかわらず、じぶんの言葉で表現できない人が多いと感じます。
とても残念なことです。
私は、じぶんの過去からじぶんの価値を掘り起こすためのポイントをつかむことが大切であると考えます。
じぶんの資質を見極める5つの視点
今のじぶんは過去のじぶんの積み重ねです。この積み重ねのなかで、出来上がったじぶんの資質のうち、つぎの5つの視点に着目することが大切です。
①自分が責任をもって選択/判断した経験
②自分にとって不利/不都合な状況に身をおいた経験
③自分が成し遂げたいという思いをもって実動した経験
④一緒に働いた人と意見や考えの衝突があり、それを乗り越えた経験
⑤自分を取り巻く環境をより良くするために変えたいと考え、実動した経験
要するに戦略的思考、意思決定力、適応能力、リーダーシップ、変革力という言葉で表現できます。
じぶんの過去の経験において、この5つの視点を踏まえて過去の出来事を回想すれば、「じぶんオリジナルな、より具体的なじぶんの資質」が浮かび上がってきます。
一般的にこの5つの視点で捉えた実体験は、説得力と迫力を帯びています。そして、その経験から身につけた能力は、じぶんの地力となってその人のチカラに直結していきます。
これが、「じぶんの価値」をじぶんの言葉にするために必要な視点であり、深く自分を分析するうえで重要な捉え方です。
まとめ
今回お伝えした5つの視点を踏まえて、じぶんの過去を振り返ることはとても意義深いものです。
「幼少期」「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」「社会人」といった、それぞれのライフステージにおいて、なにかしら掘り出せる経験があるはずです。
明日は、「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」のライフステージにおけるじぶんの過去の振り返り方をお伝えします。
「じぶんの価値」を再発見するためのカギとなる5つの視点を認識しておくことで、より深い自己分析につながると私は信じています。