しごとを変えたいという思いにいたったときに、自己分析が必須になると言われます。強みや弱みを整理、分析して、職務経歴書や面接の対策に必要になるからです。
多くの転職希望者をみていると、自己分析をしっかりと行わない人が多いと感じます。転職に必要となるさまざまな情報が巷にあふれているにもかかわらず、80%の人が自己分析していないように感じます。
とてももったいないことだと思います。
キャリアチェンジにおいて必要となる自己分析は、自分を深く知ることにほかなりません。
そこで、今回から複数回に分けて自己分析する視点で必要となる視点をお伝えします。
自己分析は、じぶんの経験価値分析
「職務経歴を列挙し、そこで何をしていたのか、どのような業績を上げたのか」ということを通して、自己分析することが多いと思います。確かに必要なプロセスであるわけですが、表層的なものになりがちです。とくに、40歳を過ぎたキャリアチェンジにおいては、社会人経験にもとづく働くことにかかわる価値観や行動特性を具体的に表すことが求められます。
私は、自己分析は、じぶんの経験価値分析にほかならないと考えます。
経験価値分析とは、文字通り、積み上げてきた社会人経験が持つ意味をじぶんの言葉で表現することを意味します。
したがって、経験価値分析という大きな視点をもつことが、最初の一歩となります。
社会人経験だけが対象ではない
経験価値分析は、じぶんが生きてきたプロセスを俯瞰的に眺めることから始めます。そのため、じぶんがこの世に生を受けたときに遡ります。
幼少期のできごとが働くことにかかわる価値観や行動特性に影響していると考えます。
具体的には、つぎの3つの視点で両親とのかかわりを確認することが大切です。
両親はどのように出会ったのか
両親はどのような仕事だったのか
両親はじぶんをどのような人物になってほしいと願っていたのか
じぶんの原点が両親とのかかわりにあるわけですが、このような視点でとらえることはあまりないはずです。
両親の出会いを知ることは、じぶんのルーツを再認識すること。
両親の仕事を知ることは、じぶんの現在の仕事とのかかわりを再認識すること。
両親の教育方針を知ることは、じぶんの存在価値の原点を再認識すること。
いままでおぼろげながらに認識していたことも含めて言語化することで、自分の内心と対話することができます。
働くことにかかわる価値観や行動特性の原点に近づくためには、このプロセスは軽視できません。
両親がご存命ならば、直接インタビューすることを強くおススメします。ご両親が直接語りかける言葉の端々に、じぶんに対する思いがあふれているからです。そこから気づく新しい視点が必ず存在しているからです。
まとめ
じぶんの原点を再認識することが、意味のある自己分析の第一歩をお伝えしました。
「そんなこと必要ないでしょ。」と思われる方が多いと思います。
私もその一人でした。
私の場合、このプロセスを知ったときに、母は他界していましたので、父に直接インタビューしたのですが、 思いもかけず父との共通点を再認識することになりました。
私も父も「新しいことにチャレンジする」という働くことに対する価値観を持ち合わせていたという再認識でした。
気恥ずかしい話ですが、自分の存在価値を知る第一歩になり、自分のことを認めたくなるきっかけになったのです。
「まどろっこしいけれども、深い自己分析」こそが、最強の自己分析であることを強く認識したからこそ、お伝えしたいのです。