40歳以降の人を対象とした転職市場が広がりつつあるものの、45歳を過ぎた人を対象とした転職市場は求人数や求める人材の基準を考慮すると厳しいものがあります。
それゆえに、45歳を過ぎてから転職することを考えるとき、今の会社と異なる業界へ転職することを検討せざるをえないことがあります。
この場合、業界の慣習や雰囲気を理解するには時間がかかります。仕事の進め方も異なるものになるでしょう。
たとえば、私の専門分野である人事についてみると、業界が変われば労務管理にかかわる手法や人材育成のあり方も変わります。メーカーの人事と医療業界の人事では仕事の進め方が変わるということです。
もちろん、基本部分は共通しているのでまったく対処できないわけではありませんが、異なる業種への転職を考えるとき、業界の慣習や雰囲気をあらかじめ知っておくと転職後の見通しをつけることができます。転職への不安材料が減ります。
45歳を過ぎてから異業種へ転職しても、失敗することだけは絶対に避けなければいけません。そのためには、事前の情報収集が要となります。
そこで、今回は今の所属している会社と異なる業界へ転職する際に留意すべき3つの情報収集術をお伝えします
【目次】
その1 「自分なりの仮説」設定を目的とした情報収集
本、マスメディアやインターネットなどで公開されている業界情報や、求人情報媒体における訴求内容等を通して情報収集することが異なる業界を知る最初の一歩になると思います。
これらの情報はそれぞれ目的をもって公開されている情報ですから、その情報をそのまま鵜呑みにすることなく、自分の考えを踏まえて解釈することが必要です。
自分が転職した後のことを想像して「自分なりの仮説」を組み立てる感覚で、「この業界って、きっと○○なんだろうなぁ~。」といった想定程度で構いません。転職を考える以前に自分が得ていた情報も含めて構いません。
大切なことは、異なる業界へ転職する自分に対する「問い」を「自分なりの仮説」として設定することで、それを意識して第三者が集めた情報を収集するということにあります。
もっとも、自分に合ったリアルな情報を収集することが重要で、設定した仮説を確かめることも目的とした情報収集が必要になります。具体的にはこの後、お伝えします
その2 転職エージェントを通した情報収集
転職エージェントからは、一般に公開されている業界情報に加えて転職先として検討している具体的な会社に関する情報を収集できます。その1と比較すると、より身近な情報となるわけです。
自分に合ったリアルな情報収集は、転職エージェントのコンサルタントを通して、「自分なりの仮説」を確かめることから得ることができますので、支援してもらいましょう。
また、自分の志望動機が高い企業のリアルな情報を収集するために、転職エージェントのコンサルタントを通してその会社の社員にリアルにインタビューさせてもらう機会を設定してもらうことも一考に値します。「自分なりの仮説」を踏まえて質問事項をあげ、転職エージェントのコンサルタントに相談してみましょう。
リアルなインタビューは会社によって対応してもらえない可能性もありますので、対応してくれる会社は採用意欲が高いととらえることもできます。
採用の真剣度を知るうえでも参考になります。
その3 産業フェアを通した情報収集
異なる業界のリアルな情報を入手するためにぜひおすすめしたいことは、産業フェアでリアルな業界情報を入手することです。
転職を検討している会社が出展している場合は、リアルに現場で活躍している社員と話をする機会になります。
転職イベントにも一考に値しますが、人事部以外の社員と接することができれば、その業界の雰囲気を自分の目で確かめることができます。
自分の目で確かめた情報は、異業種へ転職を検討するうえで貴重な判断材料になります。イベント会場で催し物のスケジュールを簡単に調べることができます。
(参考:http://the-bars.com/)
まとめ
今回お伝えした3つの情報収集術は、特別難しいものではありません。
45歳を過ぎてから異業種へ転職するには、自分の仮説を踏まえ、自分に適したリアルな情報を多く入手することが大切です。
そのためには、自分の足を使って自分のオリジナル情報を集めることです。
転職エージェントや産業フェアを通した情報収集は、時間と労力はかかるものの自分で確かめる点で貴重な情報になります。
もし、文字情報だけで情報収集しているならば、転職エージェントや産業フェアを通して、自分が転職を検討している異業種の人事部門以外の社員とコミュニケーションをとることをおすすめします。
そこで得られた情報は、異業種への転職を冷静に検討するためのリアルな情報になるからです。
45歳からの転職を成功させるためには、あえて時間と労力をかけて情報を集めてみましょう!!