45歳からの年収1.5倍化プログラム

キャリアを再生させる5つの視点(好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心)から、自分の価値を再発見して、これからの15年を30年の濃さにしよう!

やりたくなかった仕事や下積みの経験が、自分の売りになる!

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常見陽平氏は、人材育成の論客として有名な方です。

 

私が、常見氏の存在を知ったのは、氏が投稿した新卒採用にかかわるコラムを専門誌で読んだときです。たしか、2000年頃だったように記憶しています。

 

現場の実情をしっかり把握した上で、ロジカルに課題を考察されていたことに共感したことをはっきりと覚えています。

 

昨年、産業・組織心理学会 第32回大会に参加しました。

 

偶然ですが、常見氏は、「若年層の就業意識・職業観と企業の対応」と題してオーガナイズド・セッションで報告されていました。そのとき、千葉商科大学国際教養学部の専任講師でいらっしゃいることも知りました。

 

それ以来、常見氏の投稿するコラムや著書に目を通すことが増えました。

 

企業経験があり、現在は大学教員というアカデミックな分野で活躍されているからこそできる「理論と実践」を兼ねた人事にかかわる提言には、いつも学ぶことが多いと感じています。

 

先日、常見氏の著書「下積みは、あなたを裏切らない」(マガジンハウス社)を読みました。

 

この本は、若い社会人を対象にしていると思われますが、ちりばめられている多くの提言は、45歳を過ぎてキャリアに悩む人の活力につながるものだと感じました。

 

そこで、今回は、その中でも、とくに印象に残っている提言を、3つご紹介します。

 

【目次】

 

 1.価値を創造する

   

「下積みの掟9:ビジネスとは、自己満足ではいけない。」

 

自分は社会人として、どのような付加価値を生み出しただろうか。

会社のために、人のために、どのような貢献をしただろうか。

 

この指摘を読んで、45歳を過ぎて、「今まで」そして「これから」、自分はどのような付加価値を創出したいのだろうか、自問自答しました。

 

それも、自己満足ではなく、きちんと経済合理性も備えたものとして。

 

常見氏は、つぎのように指摘します。

 

下積みは、この価値を生み出すということにつながる行為なのだ。どうやったら価値を創出できるか。とことん考えてみよう。自己満足は学生時代に卒業しておきたい。

 

社会人になっても、自分のこだわりに固執して、求められていない方向性で仕事をやってしまうことがあるのではないか。仮に、それも経験として受け止めても、仕事の付加価値につながらないならば、成果としては評価されないのではないか。

 

本当に求められていることに、自分は進んでいるのか。

 

あたりまえのことですが、忘れがちになることを、再認識しました。

 

自分が生み出した付加価値を見つけると、自分の軌跡を再評価できます。

 

45歳を過ぎて、自分の軌跡を確かめることで、自分の付加価値創出力を確かめることができるのです。

 

2.人生は偶然の連続

  

「下積みの掟13:人生は偶然の連続。無駄な体験など一つもない。」

 

常見氏は、いわゆるブラック企業を否定するものの、「厳しいが面倒見のいい上司」や「忙しい仕事」を否定していません。さらに、ご自身の経験を踏まえた上で、やりたくない仕事に携わったことがその後のキャリアにプラスになったことが多々あったと回想されています。

 

 若いうちは、仕事にまみれる時期があってもいいと思う。

 

期待される仕事をただひたすら、がむしゃらにこなす。山のような仕事をこなす。仕事の量が仕事の質を上げる。ひたすら仕事をすることで、取引先や上司から可愛がられ、社内外の人脈ができる。忙しさにより、逆に効率化に目覚める。 

 

過去の経験を意味づけすることが大切です。この意味づけを通して、過去の様々な経験が、自分のキャリアにとって宝物になる可能性が高まるからです。

 

45歳を過ぎて自分のキャリアを考えるとき、「やりたくなかった仕事から学んだこと」を丁寧に振り返ることで、自分では気づいていなかった強みを見つけることができるのです。

 

3.誰かが見ている

  

「下積みの掟17:不器用でも一生懸命にやっていることは評価される」

 

自分が携わった仕事を常に全力で取り組んでいただろうか。

 

サラリーマンであると、ついつい手を抜いて仕事をしたり、地味で目立たない仕事にはやる気がでなかったり、テキトーにこなしたことがなかっただろうか。

 

いつでも仕事は見られている。そして、必ず学ぶべきことがある。どんな地味な仕事でも、見られていることを意識しなくてはならない

 

常見氏は、どんな仕事でも誰かが審査していると指摘されています。

 

たしかに、仕事のできる人は、どのような仕事でも全力で取り組んでいます。そして、そのことが、信頼感を創り上げています。

 

誰かが見ているということは、人の目を気にして仕事をすることではないのです。

自分の時間を費やして完成させるという気持ちで、自分と向き合うことになるのではなでしょうか。

 

その結果、どのような仕事でもしっかりと取り組んだことは、必ず糧になると思うのです。

 

たとえ、一つでも二つでも構いません。自分が全力で取り組んだ仕事を振り返ると、そこで自分が糧にしたことが見つかります。

 

それが自分にとって、どのような意味があるかを考えることで、強みを再認識できるのです。

  

4.まとめ

 

下積みという言葉は、暗い過去を連想してしまいがちです。

 

常見氏の本を読んで、新しいことを始めるとき、必ず下積みが始まると思いました。

 

つまり、下積みは、付加価値を生み出すための努力であり、修羅場体験であり、成功への大切なステップであると感じました。

 

45歳からのキャリアを考えるとき、自分の下積み経験と前向きに向き合うことで、未来のステップの足がかりになると確信しました。