「会社(組織)で働くからには、組織の決定に従わざるを得ない。」
「自分は組織の歯車にはなりたくないし、自分らしくありたい。」
「組織に縛られない起業家やフリーランスは、カッコイイ生き方だ。」
会社員でいることが、あたかも「隷属的」だと感じる人がいますが、もったいない考え方だと思います。こういう考え方を持っているかぎり、その人が会社で「存在感のある人材」にはなりえないと感じるからです。
会社で働くことと、自分のやりたいことが同じ方向性を向いていると、人はドンドン動き始めます。この動きができてくるとき、「存在感のある人材」に近づくと思うのです。
【目次】
1.自分の思いを伝える、意識する
「私は法務部で働きたいので、今度の人事異動でかなえてほしい。」
「もう5年も営業部を経験したので、つぎは自分のステップアップのためにも、人事部を経験したい。」
会社によっては、自分のキャリアについて希望を出せる制度があります。(いわゆる自己申告制度)
申告するだけの自分の実績があり、それを活かすことで、会社に貢献できると確信できるならば、活用する価値があります。目安として、社外でも通用する経験やスキル、資格などがあることが望ましいでしょう。
自己申告制度がなくとも、「自分のやりたいこと」を意識すると、会社のなかでそれを活かすところが見つかります。これは、「自分のやりたいこと」というアンテナが立った状態を作るということです。必要な情報が、このアンテナに集まり、自分がどう動けばよいかという周波数をキャッチしやすくなるのです。
チャンスは思わないところから来るものです。そのために、準備をしておきましょう。
2.とにかく目の前の仕事を腐らずに取り組む
「自分のやりたいこと」が明らかであり、アンテナも立てているにもかかわらず、一向に現状が変わらないことは、当然ありえます。もっとも、このときの仕事への取り組み方が重要になります。
「人は自分が思うほど、自分のことを気にしていない」と言われます。しかし、実際は人の仕事ぶりは驚くほど見ていると感じます。これは当然のことで、2、3回協働して仕事をすれば、その人が丁寧な仕事ぶりなのか、雑な仕事ぶりなのかは一目瞭然になるからです。
また、雑な仕事ぶりの人は、人から信頼されなくなるため、その悪い評判が広まりがちです。
したがって、どうあっても、とにかく目の前の仕事に全力で取り組むことがきわめて重要になるのです。
自分のやりたいことを明らかにして、「目の前の仕事に全力で取り組む」ことを続けていれば、それを評価してくれる人は必ず現れます。
どんな状態にあっても、「目の前の仕事に全力で取り組む」ことができる人の多くは、会社において「存在感のある人材」になっています。こういう姿勢の人が、会社の業績を創り出しているからです。
3.「どうありたいか」から逆算する
「自分がやりたいこと」と、「将来、どういう自分でありたいか」は、必ずつながっています。したがって、「将来、どういう自分でありたいか」から逆算して、今をどう位置付けるか、これからどういう行動が必要であるかを考え、そして、それと会社の方向性をつないでみることが大切です。
自分のキャリアについて、過去のキャリアの積み上げから推測するだけではないところがポイントです。
たとえ社外で通用する経験・スキル、知識がなかったとしても、逆算することでリカバリーするために必要な行動が明らかになるはずです。
また、逆算することで、いままでの自分の言動を振り返ることになります。
自分のことを理解することができれば、あとは会社のことも理解できれば、方向性をあ合わせることができます。
4.まとめ
「自分がやりたいこと」を実現できている人を見ていると、その多くの人が自分が働いている会社のことが好きな人が多いように感じます。
すこし長くなりますが、つぎのような循環があるのではないかと思います。
「会社が好き」 ⇒ 「なんとか会社が続くようにしたい」 ⇒ 「自分ができることはなんだろう?」 ⇒ 「自分のやりたいことが明らかになる」 ⇒ 「会社で自分のやりたいことを試してみる」 ⇒ 「結果がでる」 ⇒ 「結果のいかんにかかわらず、経験が増え、スキルも身につく」 ⇒ 「ますます貢献しようと思う」 ⇒ 「会社が好き」
つまり、自分から行動を始め、興味をもって、あきらめることなく、臨機応変に対応し、なんとかなるという心持ちで果敢に取り組むことを通して、「会社で働くことと自分のやりたいこと」の方向性がチューニングされると感じます。
愚直に、まっすぐに、仕事に取り組める人が「存在感のある人材」となることも理解できるのではないでしょうか。