喫茶店と言えば、どこをイメージしますか?
カジュアルな中に洗練された雰囲気のあるスターバックスコーヒーやタリーズコーヒー。
東京都内に展開しているルノアール。
活用する場面によって、使う店は変わると思いますが、チェーン展開している喫茶店が流行る一方、個人経営または小資本経営の喫茶店は減ってきています。
神田珈琲園は、神田駅北口、JR高架下に古くからある、昭和の香りがする喫茶店です。
1957年開業とのことですから、60年近く続いている老舗です。年季の入ったテーブルとイスは、木のぬくもりを感じます。
神田という飲食業界の激戦区で喫茶店として生き残っていることは並々ならぬ経営努力をされているはずですが、それを感じさせない居心地の良さ。
この小さな喫茶店に、なぜ人が集まるのか、気になりました。
神田珈琲園は、なぜ、人を魅了する存在感があるのか。
1.コーヒー豆にこだわりがある
そもそも、喫茶店でコーヒーが美味しいことが絶対条件だと思います。神田珈琲園は、コーヒー豆を店内で自家焙煎して提供するという『コーヒー豆』に徹底したこだわりがあります。
コーヒー豆そのものの販売にも、そのこだわりは徹底されています。
袋にコーヒー豆を詰める前段階のコーヒー豆の選別。粒を揃えるため、手仕事で焙煎時に割れた豆や小さな粒の豆を手仕事で選り分けているのです。
美味しいコーヒーを届けたいという思いがなければ、自家焙煎や手数が必要な選り分けはやらないと思います。
こういった地道な取り組みとコーヒーに対する価値観が、店の雰囲気を良いものにしていると感じるのです。
2.客とのつながりを大切にしている
神田珈琲園は神田界隈では珍しく予約対応してくれる喫茶店です。(私は頻繁に利用しているので、とても助かっています。)
それゆえ、英会話サークルや山登りサークルのような同好会によく利用されたり、店内の壁面を活用したギャラリー(絵画展や写真展)も開かれています。
http://www.kanda-coffee-en.com/gallery_scd.html
喫茶店ですから、客とのつながりを大切にすることは当然のことですが、このようなたくさんの人と繋がる機会を積極的に設けていると感じます。
こういった機会は、客が勝手に特別待遇してもらっていると感じることにつながると思うのです。
もう少し言うと、常連になればなるほど、店で働く人が客の名前と顔を覚えてくれるあたりまえのことに加えたさりげない気配りでしょうか。
たとえば、席を予約する際の電話応対のとき、名前を伝えると、声のトーンから歓迎されていることが感じられるのです。電話に出てくれる人は毎回違うにもかかわらず。
これは、お店全体の雰囲気が醸し出すものだと感じるのです。
3.また来たくなる居心地の良さ
どれだけ長く居ても、嫌な顔をされたことはありません。
さらに、珈琲園ブレンドは、本格コーヒーにもかかわらず、おかわり無料(何杯でも)です。
こだわりある美味しいコーヒーと、いつも店全体で歓迎されること、どれだけ長く居ても嫌な顔をされないこと。
結果として、また来たくなってしまうのです。
(ちなみに、コーヒー以外の飲み物やサイドメニュー、デザートも美味です。この時期は、大盛りなかき氷が絶妙に美味です。)
安心できる場所で、居心地の良さ。
再訪したくなる気持ちになるからこそ、長く続いているのだと思います。
4.まとめ
神田珈琲園を人に例えてみると、多くの人に支持されている人物のように思えます。
(1)「コーヒー豆にこだわりがある」=「仕事に手を抜かない」
(2)「客とのつながりを大切にしている」=「人との関係性を大切にしている」
(3)「また来たくなる居心地の良さ」=「また仕事をしたくなる信頼感」
長く営業を続けていることは、日々のキャリアを積み上げている人物と同じように捉えることができます
仕事に手を抜かず、自分の前工程と後工程を大切にし、信頼残高を積み上げることで、多くの人から支持され、存在感が出てくる。
結局、小さなことを積み上げることが、キャリアを豊かにする近道なのです。
このことを意識して、毎日を大切に過ごしていきたいと、神田珈琲園を利用して、改めて感じています。
【神田珈琲園・HP】 http://www.kanda-coffee-en.com/