45歳からの年収1.5倍化プログラム

キャリアを再生させる5つの視点(好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心)から、自分の価値を再発見して、これからの15年を30年の濃さにしよう!

自分の経歴や経験を公式化する 「結晶性知識」の見つけ方

会社で「存在感のある人材」になるためには、自分の「結晶性知識」を確かめることが大切だとお伝えしました。

 

「結晶性知識」とは、その人の持つ経験や知識といった暗黙知に近いもので、可視化されてないことが多いものです。この「結晶性知識」を明らかにするために、自分のキャリアを因数分解して、明確にすることが必要となります。

 

f:id:hiratsukacareer:20170628055327j:plain

 

 

1.キャリアを因数分解することの意味

  

「キャリアを因数分解する」ということは、キャリアを振り返ることを意味します。キャリアを振り返る時は、転職を考えるときで、履歴書をうまく書きあげるため、面接を上手に切り抜けるため、転職エージェントが紹介しやすくするためといった観点から取り組むことが一般的でしょう。

 

  転職を考えていないときに、わざわざ面倒なことに取り組む人は少ないと思います。

 

そこをあえて、能動的にキャリアを因数分解することで、「結晶性知識」を見つけ、「存在感のある人材」になることが、自分のキャリアを豊かなものにするためには必要です。

 

多くの場合、自分の経歴を①どんな会社で、②どんな部署で、③どんな仕事にかかわったか、④どんな業績をあげたか、という「客観的な事実」を確認します。

 

ただ、「結晶性知識」を考える際に、振り返った仕事に対する感情に向き合うことも大切です。

 

なぜならば、「客観的な事実」としてあげた仕事の多くは、必ずしも自ら「やりたい!」という思いで始めたものばかりではないからです。

  

 2.自分のことを知ることのむずかしさ

 

人は、自分のことはわかっているようで、わかっていないと言われます。つまり、「可視化された自分」を確かめることは難しいのです。

 

「可視化された自分」とは、経験を通して培った自分の価値観を整理し、明らかにすること、そして、その価値観が与える選択基準のメカニズムを把握することを意味します。つまり、「自分の感情」が動くパターンを捉えて、自分の選択基準のクセを知ることでもあります。

 

仕事をするうえで、意思決定する場面は多々あり、人は積み上げた経験をもとに自分にとって最適な選択を「無意識に」しています。

日常生活で自分の意思決定における選択基準を意識することは、ほぼないはずです。

 

3.無意識の選択基準を見える化する

  

人は意思決定するとき、自分の脳をフル回転させて、瞬時に意思決定しています。

そのプロセスでは、積み上げた経験から培った「価値観」をもとに、自分の考えを整理し、判断しています。

 

その価値観はつぎの2つに分類されます。

 

 (1)「なるべく感じていたい価値観」 

 (2)「なるべく感じていたくない価値観」

 

簡単に言うと、人は「快」を求め、「痛み」を避ける、ということです。

 

「嫌な仕事を先延ばしする」という選択を例に取り上げてみましょう。

 

この場合、「嫌な仕事をしないですむ」という「快」と「嫌な仕事で苦しみたくない」という(痛み)から、「先延ばしする」という無意識の選択基準に基づいて意思決定がなされています。

 

堅苦しく書きましたが、その人が持つ価値観に基づき、一瞬の判断が為されているという一例として捉えてください。

 

この無意識の選択基準を見える化するは、「なるべく感じていたい価値観」と「なるべく感じたくない価値観」のそれぞれを少なくとも5個、可能であれば10個、紙に書き出してみることが有効です。

 

書き終えて、それを眺めると、自分の感情の動き方が見えてくるはずです。

 それが見えた後で、自分が整理した「客観的な事実」としての経歴と照らし合わせて、振り返ってみてください。

 

そうすると、自分が、チカラを発揮したとき、あるいは、チカラを発揮できなかったとき、どういう思いだったか、が整理されます。

 

そのときに自分がとった行動や仕事の実績が、この「無意識の選択基準」の影響を受けていたことに気づくはずです。

 

4.まとめ ~その仕事、どんな思いを大切にしてきましたか?~

 

「価値観」を整理し、自分の「無意識の選択基準」がわかると、ホメられた仕事

苦労して達成した仕事、怒られた仕事、失敗した仕事等、それぞれに、そのときにどんな思いで仕事をしてきたか、つぶさにわかってきます。

 

そして、このことがわかれば、「仕事に向き合う自分のあり方」を自分のコトバで整理して伝えられる素地が完成するのです。

 

すなわち、つぎのような公式が成り立ちます。

 

「客観的事実としての仕事」×「自分の価値観」

          =「仕事力の一貫性」+「仕事力の再現性

  

(「仕事力の一貫性」で、どういう仕事への姿勢で取り組んできたか、を可視化でき、それをもとに「仕事力の再現性」で、これからどういう仕事で成果を出せるかを可視化できるという意味です。)

 

この公式が完成すれば、自分の「結晶性知識」を自分のコトバで伝えることができるようになります。自分の「結晶性知識」を活かす場面もイメージすることができるでしょう。

 

そして、この公式が完成させられれば、「存在感のある人材」として活躍することができます。

 

長いキャリアを振り返るにあたり、整理してみると、今まで見えてこなかった自分の価値を再発見できます。

 

自分のキャリアの活かし方について、答えがきっと見つかります。