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部下のマネジメントに困ったとき ~業績はあげるが、問題行動をとる部下指導の3ステップ~

中間管理職は、自分の上司と部下の間で板挟みになって、ツラいことが多いとボヤく人がいます。

 

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組織のマネジメントに特化できず、自分もプレイヤーとして動くプレイイングマネージャーであることも求められる昨今。

 

本当に中間管理職は大変な思いをしていると感じています。

 

さて、そんな中間管理職を悩ます問題に、「人のマネジメント」があります。

いわゆる「部下マネジメント」です。

 

つまり、組織をマネジメントするうえで、「問題行動をとる部下」のマネジメントです。

 

これ、こじれると、本来業務に大きな影響がでるくらい、やっかいなことになります。

 

このような部下は、いろいろなタイプに分類されます。

 

今回は、管理職の目が届かないところで、他のメンバーに悪影響を与えている部下を例に、そのマネジメントに有効な3つの教育的指導方法をお伝えします。

 

 

1.「問題行動をとる部下」の特徴

 

 

「問題行動をとる部下」は、仕事のパフォーマンスは悪くないのですが、自分よりも立場の弱い人に対して、他罰的言動がみられます。それも、中間管理職の目が届かないところで、陰湿に行われていることが往々にしてあります。

 

上司である中間管理職は、自分には愛想よく接してくるので、よもや、他罰的に他者をイジメているとは想像だにしません。

 

上司が知らないところで、どんどん問題が悪化していきます。

 

それゆえ、問題が表面化したときは、手遅れ状態で、やっかいごとになってしまいます。

 

手遅れ状態になっていたとしても、事態を改善させなければいけません。

問題が明確になったときは、つぎの方法を取り、矯正する必要があります。

 

2.事態改善の具体的な方法

 

2-1:攻撃の対象となった人及びその人の周囲の人の話を聴く

 

問題が表面化したら、まずは攻撃の対象となった人にヒアリングします。

(このようなケースでは証拠が揃わないことが多いので、今回は、事実としてイジメがあり、その証拠(対象者の周囲の人の目撃情報、メール、音声等)が保全されていることを前提とします。)

ヒアリングでは、可能な限り、具体的な証拠について、攻撃を受けた日時、場所、具体的な言動、言動に対してどのように感じたか、を聴き出します。

人によっては、ヒアリングを受けた結果、嫌がらせを受けることを怖れて本当のことを言いたがらなかったり、当人の責任であると言ったりします。

ここで、中間管理職としては、双方からヒアリングを受け、嫌がらせ等が生じた場合は厳正に対処する旨を伝え、ヒアリングにおける安全地帯をつくることが必要です。

 

2-2:問題行動をとる部下の話を聴く

 

その後、問題行動をとる部下にもヒアリングします。攻撃の対象となった人に対して、どのように接しているか、その接し方の意図はなにか、抑圧的な言動がなかったかを聴き出します。

 

具体的な証拠があるにもかかわらず、双方の関係は良好であるとの答えたり、あくまでも指導的な言動に過ぎず、相手思いの結果であるなどと弁明することが一般的です。

 

経験上、極めて理路整然と話すことが多いため、慣れていないと問題行動とは思えなくなることもありますので、注意が必要です。

 

2-3:具体的な証拠を示し、問題行動をとる部下に伝える

 

 

問題行動をとる部下の多くは、問題行動を否定しますから、具体的な証拠を示し、組織マネジメント上で大きな支障が出ているので、問題行動を即刻やめるよう指導します。

ここで、毅然と示すことが必要です。具体的な証拠があるから、水戸黄門のごとく、強気にいけそうだと思われるかもしれませんが、問題行動をとる部下も必死になって弁明しますし、場合によっては逆ギレしたりしますから、中間管理職も動揺してしまうことがあります。

 

この手のタイプの部下に、動揺していることを察知されると、迫力をもってつけこまれます。ですから、決して動揺しないと自分に言い聞かせてください。

 

ただ、難しいことも想定しておく必要があります。

どうしても動揺を隠しきれない場合は、問題行動が懲戒事由に該当する可能性があることを伝えてください。

 

厳密には懲戒にかかわる規程によって該当するか否かが決まりますが、就業規則では職場における調和を乱す言動を禁ずる旨は規定されていることでしょう。

それに該当すると伝えればいいのです。それだけで、いいです。何を言われても、問題行動を即刻やめるように指導し、当該行為は懲戒事由に該当する可能性がある旨を伝えるのです。

 

このプロセスは、中間管理職としての職務を果たすことになりますので、自分の身を守ることにもつながります。 

 

3.まとめ ~労務問題の難しさをいかに乗り越えるか~

 

 

今回は、わかりやすくお伝えするために、簡便化した内容としました。基本となるプロセスは上記の2-1~2.3のとおりですが、実際はより複雑であることが一般的です。したがって、ケースによって、対応方法を変えなければいけません。

 

労務問題は、正解がなく人事のプロでも頭を抱えてしまうことが往々にしてあります。

 

そこで、つぎのようなことに留意することが必要になります。

  1. 中間管理職として、日常的に部下とコミュニケーションをとる
  2. いつもと様子が異なると感じた部下には、丁寧に対話する
  3. 問題行動を把握したら、可能な限り証拠を確認し、憶測では動かない
  4. 当事者間の言い分をしっかり聴く
  5. 問題行動をとった部下に、行動改善を指導する

 

中間管理職として、できることをやりきることが必要です。

やりきれば、その分、中間管理職としての評価は高まります。

結果として、存在感のある人材として認められるでしょう。

 

「めんどうなことから逃げずに、自分のできることをやりきる」管理職を組織が認めないはずはありませんから。