45歳を過ぎると、体力・気力とも衰えると嘆く人が増えてきますね。
同窓会での話題が、子どもの進学先、自分の会社のことに加えて、健康のことが話題になると、いやおうなく年齢を重ねていることを実感します。
しかし、年齢を重ねることは、必ずしも嘆くことばかりではありません。経験してきた知識が結晶のように集まり、意義のあるものとなっているからです。
1.経験を棚卸するためには、何が必要か
自分のキャリアを把握するためには、「強み」と「弱み」を整理したことがある方は多いと思います。今までの経験を棚卸することが必要になるわけですが、その際、留意することがあります。
それは、自分の過去を、可能な限り遡って、辿ることです。
たとえば、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、社会人といった、一定の区切りごとをつけてみるのです。
そのうえで、夢中になったこと、好きになったこと、好きになったひと、尊敬していたひと、なりたいこと、やりたいことを紙に書き出してみます。
自分の過去を徹底して棚卸しすると、自分が大切にしてきた価値観、なるべくなら遠ざけたかった価値観がはっきりしてきます。
2.熱量(情熱)を確かめる
価値観がはっきりしたら、そのとき、そのばめんで、どれだけ熱中していたか、そのきっかけと理由を確かめます。
夢中になったとき、その理由は何か?
好きになったひと、その理由は何か?
なりたいこと、やりたいこと、その理由は何か?
なぜ、これが必要になるか。
これらを確かめると、自分が持っている価値観に紐づけられるルールが明らかになるからです。
少し理屈っぽくなりますが、おつきあいください。
たとえば、『楽しいを感じるために、人と話をすること』が必要だとします。
この場合、『楽しい=価値観』、『人と話をする こと=ルール』とみることができます。
自分が大切にしてきた価値観、なるべくなら遠ざけたかった価値観にそれぞれ紐づけられるルールを知ることで、自分が意思決定するための選択基準も明らかになります。
何かに熱中していたならば、その理由がわかり、なぜそれだけの情熱を発揮できたか理由もわかるのです。
3.自分なりの価値観とルールを活かす
自分が意思決定するための選択基準がわかれば、それが、これから目指そうと思っていることに向けてプラスに作用するか、マイナスに作用するか、を見極めます。
少し暗い例になりますが、なるべくなら成功したいという価値観となるべくなら失敗したくないという価値観を持っている場合を考えてみましょう。
そして、成功のルールが自分の理想像の実現で、失敗のルールが一つも判断誤りがない、だとすると、どうでしょうか。
おそらく、このような価値観とルールを持っている場合、動かない又は動けなくなりでしょう。
一方、成功のルールを試そうと思ったことを実行する、失敗のルールを上手くいかないことから学ぶとすると、どうでしょうか。
おそらく、動き出せるのではないでしょうか。
このように、自分の価値観とルールを見直すと、過去からつながっている現在の自分を知り、将来に向けたあり方が見えてくるのです。
4.まとめ 自分の「結晶性知識」を活かす
私は、誰もが積み上げた経験をもとに、その人ならではの価値があると信じています。
積み上げた経験は、結晶のように研ぎ澄まされた知見となります。
これを、結晶性知識と呼びます。
45歳を過ぎて、自分のキャリアを振り返るとき、自分が情熱を傾け、熱量を出しきった経験を棚卸しすることが大切です。
そして、そこから、自分の結晶性知識を見つだすことで、自らの価値をより高めていくことができるからです。