45歳を過ぎて転職をしようとするときに、邪魔になることがあります。
それは、新卒採用の時と違って、20年以上の社会人経験があることです。
なまじ社会人経験があると、面接はそのときのフィーリングでなんとかなると思ってしまう人が意外と多いのです。
「そのときのフィーリングでなんとなる」ほど、甘くはありません。
事実、面接の場では事前準備ができている人とそうでない人の差は一目瞭然です。
当の本人は上手につじつまを合わせることができたと感じていても、面接する側から見ると、「話の論点がずれている」ことが明白です。
昨日の記事で、他の候補者との差別化が重要であることをお伝えしました。差別化するには、自分を知ってもらうことと同じくらいの熱量で相手のことを知ることが大切です。
見ず知らずの人の話を聞いてもらうには
タイトルにもしましたが、転職の面接は、「飛びこみ営業」そのものと捉えるべきです。
ある日突然、見ず知らずの人が履歴書と職務経歴書という商品カタログを持って、「会社」という自宅の訪問販売しに来ていることと同じです。
たとえば、訪問販売に来た人が商品カタログをもとに、そのメリットをとうとうと説明されたとしても、それを聞いている人は右から左に受け流してしまうことでしょう。
なぜか。
そこに聞いている人のメリットがないからです。見ず知らずの人の話を、額面通り受け取るお人好しはそうそういないはずです。
聞いてもらうには、「メリット」を伝えなければいけません。転職の面接の場合、採用することで会社にもたらされる付加価値を伝えることになります。
飛びこみ営業の達人から聞いたヒント
以前、飛びこみ営業の達人のNさんから、話を聞いてもらうコツを教えてもらいました。
「ドアを開けたら、足を入れて閉めさせないようにする、ですか?」
こう尋ねる私に、Nさんはつぎのように教えてくれました。
「そんな乱暴なことしたら逆効果ですよ。コツは、訪問するお宅のたたずまいを観察して、どんな家族構成なのか、どんな生活様式なのか、どんなことで困っていそうか、といったことを想像するんです。そして、その想像から話の共通点となりそうなことを見つけて、そのことをお話するんです。」
「最初から商品について説明したりしません。訪問するお宅のこまりごとに役立てそうだと感じたら、ドアホンを鳴らしてみるんです。難しいことなんですが、共通の話題から信頼してもらうネタをつくることですね。」
「そして、本当にそのお宅のこまりごとを解決したいと思うことです。営業成績を上げようとすると邪心が態度に出てしまうんです。」
Nさんの教えは、そのまま転職の面接で活かすことができます。
それは、
-
応募先の会社の困りごとを把握し、
-
それに役立つ自分を把握し
-
ほんとうに貢献したいと思うこと
です。
まとめ
45歳からの転職を成功させる5つのアプローチをあらためてお伝えします。
-
自分のチカラを活かせそうな会社を3~5社ピックアップする。
-
応募先企業の公開情報を徹底的に調べる。ピックアップした情報をもとに、業界、会社の成長段階、今後の方向性等の関連する情報にアクセスする。
-
それらの会社にエントリーすることを踏まえて、応募先企業が目指している方向性と人材を必要とする理由を想定しつつ、履歴書と職務経歴書を仕上げる。
-
収集した情報をもとに、自分が貢献できる領域を「基礎力」「専門力」「再現力」「人間力」の4つの視点で具体化する。
-
企業にエントリーする。
飛びこみ営業の達人のNさんの話との共通することを踏まえると、このアプローチの2と3について丁寧に取り組むことが必要であることがわかります。
転職では自己アピールばかりを意識することなく、「相手」である応募先の会社を知ることも意識しないと成功しないのです。
応募先の会社を知ることなくして、会社の採用意欲を喚起させることはできないということをお伝えします。
本日も、お読みいただきありがとうございました。
【参考:昨日投稿した記事です!】
hiratsukacareer.hatenablog.com