上司になって、それも中間管理職になって、初めてわかることがあります。
それは、自分の考えが、部下には驚くほど伝わらないことです。
報告・連絡・相談をしてこない。
指示に対して、要求したアウトプットがでてこない。
指示待ちで、言われたことしかやらない。
指示を仰ぐべきときに仰がず、独断で仕事を進めて、事故になる。
指示を仰がなくてもいいことを、いちいち確認してくる。
やらない言い訳ばかりして、提案してこない。
こういった悩みを抱えている上司(マネジャー)は多いと思います。
私自身もマネジメントの立場で、このような悩みを抱えてきました。
今日から部下マネジメントのあり方をテーマに、連載していこうと思います。
人的マネジメントの変遷
昭和の時代ならば、「上司の背中を見て、自分で考えろ。」といったことが通用していたかもしれません。実際、私の社会人デビューはバブル期でしたので、まだこういう風潮が会社に残っているなかで、社会人として、育ってきました。
いわゆる年功序列が人事制度の主流であった時代であれば、マッチしていたのかもしれません。
しかし、2000年を境に、日本の企業は「成果主義的な」人事制度に軸足を移します。)(「的」としたのは、完全に成果主義に移行できないケースが多かったことを含めています。)
この流れの中で、人事政策の一環として、「人材育成」は大きな意味をもつようになりました。人的資源をいかに有効に活用し、生産性を高めることの重要性がクローズアップされたのです。
同時に、現場最前線で人を束ね、動かし、成果を上げるという重要な役割を担う「上司」の存在もクローズアップされるようになりました。
それゆえ、人材育成視点を持たない「上司」は、会社からも評価されなくなります。
上司はつらいよ。
成果責任と人材育成責任を同時に負うことになる上司は、とてもつらい立場に立たされやすくなります。
とくに、冒頭に書いたような部下を1人でも持つと、その部下への対応だけでも、相当の労力を要するからです。
ティーチングではなく、コーチングが有効だ。
傾聴し、相手の立場に立った指導をしなければ。
部下の心を開くために、上司である自分から積極的に声かけしよう。
私も体験してきたことですが、上司はいろいろと試すわけです。しかし、思うような効果を実感できないことが往々にしてあります。
上司が意識する1つめのステップ
部下マネジメントのベースは、信頼関係であることは疑いのないことです。
しかし、信頼関係がすでに切れている場合もあるでしょうし、強固なものになっていない場合もあるでしょう。
疑心暗鬼になっている方も多いのではないでしょうか。
誤解を恐れずに言います。
「人材育成」という言葉の通り、「教育(教えること)」が必要です。
部下に対応するための1つめのステップは、「教育(教えること)」にあります。
組織のミッション、求められるバリュー、自分の考えや思い
それぞれを、部下に的確に「教育(教えること)」する。
これが、上司が意識するファーストステップなのです。
明日以降、部下マネジメントに関する記事を投稿していきます。
本日も、お読みいただきありがとうございました。