健全な修羅場を与えるといっても、部下の成長につながらなければ、上司の負担は増える一方です。ゆえに、部下のタイプに合わせた修羅場の与え方を上司は留意する必要があります。
上司が寄り添いながら修羅場を経験させる
難しい仕事を独力でやりきる修羅場を経験させる
修羅場を通した育成の成否を見極めるには、部下の修羅場の受け止め方次第だからです。
仕事の捉え方の違い
上司と部下との間で仕事の捉え方は異なります。
上司は仕事を組織の成果責任を負っているため、どちらかというと仕事を創り出すという思考を持ちます。
他方、部下は自分が担う仕事の成果責任を負っているため、どちらかというと仕事を維持し運営するという思考を持ちます。
極端なたとえですが、上司はクリエーター的思考、部下はオペレーター的思考に陥りやすいといえます。
クリエーター的思考とは、「どうすればできるようになるのか。」といった価値を創造する思考です。オペレーター的思考とは、「どうすればミスなくできるか」といった価値を維持する思考です。
部下がオペレーター的思考である場合、修羅場を経験させても、それを苦行と捉えてしまうでしょう。それなりの土台がなければ、修羅場を育成につなげられないのです。
できることで点を取らせる
修羅場を経験させることの効用は、「できない」を「できる」に変えることです。
「できない」の原因は、やり方がわからない、あるいは、継続の仕方がわからないの二つです。
「できる」ためには、「できること」からやらせてみることしか方法がありません。
「できること」とは独力で100点が取れる状態を意味します。
修羅場を経験させるためには、ある程度「できる」ことを体感させる必要があり、その積み重ねが修羅場を成長につなげていく土台になります。
まとめ
しかし、このプロセスは時間を要するものであり、上司は忍耐が必要です。
「なんで、できないんだ!」という心の叫びを抑え、部下の意識、マインドを把握することが求められるということです。
その意味で、上司としてではなく、一個人としての自分の価値観を的確に捉えなければいけません。
詳しくは、明日お伝えしたいと思います。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。