部下が自律的に動くきっかけとして、部下が任された仕事を自分のチカラで完遂する機会を意識的につくることが必要になります。
とかく上司からの指示に対して、アウトプットすることに慣れてしまっている部下にとっては、「自分で決める」ということに抵抗感を持ちます。
「自分で決める」という経験が、仕事を前に進めるチカラになっていきます。
「修羅場」を与えることが効果的であることを昨日お伝えしたところ、「どのような与え方がよいのか?」というお問合せを受けました。
今日は、適切な修羅場の与え方について、お伝えしたいと思います。
修羅場を例えてみると・・・
幼い子が自転車に乗れるようになるには経験が必要です。
その経験を修羅場に例えてみましょう。
①補助輪を二つ付けて、乗り方を覚える
②補助輪を片方だけ外す。転びながら、乗り方のコツを身体に覚えこませる。
③助輪を両方外す。転びながらも、ゆっくり、バランスを取りながら、乗り方を覚える
④体でバランスの取り方を体得し、転ばなくなる。
⑤スピードを上げて乗ることができるようになる。
幼い子にとって、「うまくいかない」「失敗する」という経験は、なるべくならば避けたいものです。その意味で、②と③は、自転車の乗り方での修羅場です。
しかし、②と③の「うまくいかない」「失敗する」ことを、「転ぶ」という経験を通して体感しなければ、自転車を乗りこなすことはできません。
親が「転ばない」ように、②と③を幼い子に経験させなければ、いつまでたっても、自転車を一人で乗りこなすことはできないのです。
部下育成の場面で、上司として求められること。
それは、部下の能力に応じた修羅場の与え方です。
与え方を間違うと、部下をつぶしてしまいます。
留意すべきこと
修羅場の与え方で留意すべきことは、つぎの3点です。
①仕事のアウトプット(ゴールイメージ)を共有する
②プロセスはすべて部下に任せて、アウトプットを部下にコミットしてもらう
③部下との適宜コミュニケーションを取る。ただし、指示はしない。
この3点を踏まえておけば、部下がつぶれる可能性は小さくなります。
まとめ
修羅場を与えて、部下を育成することは、試行錯誤の繰り返しです。
良かれと思って与えた修羅場が、部下にとっては重荷になることがあります。
それを回避するために、上司ができることは何か。
詳しくは明日、お伝えします。
本日も、お読みいただきありがとうございました。