昨日、グローバル企業で活躍するHさんの悩みをお伝えしました。
Hさんの望みは、部下が自律的に動いてくれることです。自律的に動くとは、自ら考えて動くことに他なりません。
多くの場合、部下が上司の期待どおりに動いてくれるものではありません。むしろ、その逆で、動かないことの方が多いことでしょう。
一般論として、部下を承認することが大切だと言われます。
しかし、いくら承認しても、期待どおりの動きをしてくれない場合は、どうすればいいでしょうか。
甘えの構造
上司の期待どおりに動かないことにも、きっと理由があります。
私の経験から、上司が良い意味でも悪い意味でも面倒をみてしまうことがその大きな要因だと捉えています。
部下が動かなかったことが原因で、仕事がうまく進まなかったとしても、上司がそれをフォローしてしまう。
それは、事なきを得る状況を作ってしまため、部下に気のゆるみという甘えが生じます。
この期のゆるみという甘えの構造は、「自分が考えなくとも、なんとかなる。」という幻想を部下に抱かせます。
ゆえに、上司の接し方を見直す必要があります。
上司の不安
上司は部下の存在を承認する。部下は承認されている状態に安心し、イキイキと仕事をする。
一般論としては、うなずけることでもありますが、このことはあまりに教科書的すぎます。
部下の成長を促すためにも、仕事を任せたい。
どんなに丁寧に仕事の完成形を伝えても、任せても期待通りの仕事に仕上がらない不安がある。
ゆえに、最終的に仕事が完成しない場合は上司が尻ぬぐいする。
こういう負のスパイラルは、上司の不安を増長させます。
そして、甘えの構造と上司の不安が入り混じるとき、組織の成果責任を負う上司は、自分が動くことを選択してしまうのです。
部下が動かない理由である甘えの構造の裏には、部下が任された仕事にコミットしていないという事実が存在しています。
端的に言うと、「指示されたことはやるけれども、それ以上はやらない。」ということです。
上司の指示から部下が何かを学ぶことができれば、その学びを応用できます。しかし、このような考えがあると、部下が上司の指示を学びとしません。
指示を学びとして捉えてもらえるようにするための特効薬は、何があるでしょうか。
まとめ
特効薬の一つは、部下に修羅場を経験させることです。
上司は部下に仕事を任せたら、部下の責任において完遂させることとも言えます。
部下がやりたい仕事であるか否かにかかわらずです。
修羅場体験で感じた痛み、喜びが、部下が仕事を覚える道です。
上司として忍耐が必要になる場面が増えますが、あえて、修羅場を経験させる勇気を上司が持つことで、部下の甘えの構造が崩れます。
甘えの構造が崩れて、初めて部下が自律的に動くようになるのです。
今日は少し辛口過ぎました。
本日も、お読みいただきありがとうございました。