2019年度も上半期が終わりつつあります。年度の途中は、上司との面談の時期になっている会社も多いことと思います。
長年人事に携わっていると、気づくことがあります。
それは、自己評価が高いとアピールする部下を、上司はめんどくさいと感じることが往々にしてあるということです。
もっとも、そういう部下は、自己肯定感が高いということで、大いに結構なことと捉えることもできます。しかし、ほんとうに自己肯定感が高い人は、自分のことを自己評価が高いと主張しないものです。
「私は、これだけ素晴らしい業績を上げたから、高い評価でなければ納得できない!」
しかし、このようなアピールをする部下は、自分が思ったほどの評価を周囲が感じていないことが多いものです。
こういう人が部下だと、ほんとうに気苦労が絶えません。
上司として、こういった部下とどのようにかかわればいいでしょうか。
他人との比較による評価軸
自己評価が高いとアピールする部下は、自分の評価を他人との比較で考察します。
自分がベンチマークした人よりも、自分はがんばっている。
同期入社の誰それよりも、自分の評価が低いのは我慢ならない。
こういった評価軸をもっているため、あたかもマウンティングするかのごとく、他人と自分を見比べます。ゆえに、いかに他人よりも自分が優れているかをアピールするのです。
攻撃誘発性を伴う余計な一言
自己評価が高いとアピールする部下は、自分を高く評価しない上司に対して辛辣な言葉を発します。言葉こそ丁寧であるものの、自分を高く評価しない上司を慇懃無礼にディスるのです。
こんなにがんばったのに、評価されないならば、やってられません。
どこに目をつけて評価しているんですか?
このようにディスられる側の上司は、攻撃誘発性を刺激されます。たまったものではありません。ついつい、ムカっとして、反論してしまいます。
しかし、反論することは逆効果です。自己評価が高いとアピールする部下は、反論した上司の言葉の上げ足をとって、さらに余計な一言を発してくるからです。
上司が反論することで、ストレスを増幅させてしまうようなことは絶対に避けなければいけません。
かわす技を身につける
真正面から対峙して、一つひとつ丁寧に反論したり、説明しようとしてはいけません。
むしろ、「なぜ、自分の自己評価が高いとアピールしているのか」という理由を徹底的に聴くことが必要です。
とにかく聴くに徹するのです。
聴くに徹すると、部下が持っている評価基準が、上司の求めている基準よりも低いことが見えてきます。
反論するのではなく、聴くに徹するという、かわすことがキモとなります。
まとめ
自己評価が高いことをアピールする部下は、実は自分に自信がない人が多いものです。
ゆえに、自分を高く見せるために、上司に高い評価を要求し、自分の存在感を満たしているのです。
パフォーマンスの高い部下は、比較軸を他人におかず、自分が設定したあるべき姿と比較します。ゆえに、往々にして自己評価が厳しくなり、自己評価が低かったりします。
自己評価が高いとアピールする部下は、自分を大きく見せるために、自分の成果を誇大表現しがちです。自分を正当化するための言い訳を並べることが得意なので、めんどくさい存在に感じるのです。
それゆえ、上司は、聴くに徹して、誇大評価が部下の妄想であることに気づかせることが必要です。また、機会のあるたびに、毅然とした態度で求める基準を示すことです。
めんどくさいと思いつつも、日々の対話の機会を意図的に設けることを意識することをおススメします。
本日も、お読みいただきありがとうございました。